国際弁護士の清原博氏は16日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳で、銀行詐欺容疑で訴追された水原一平容疑者(39)をめぐり、大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏に今後、法的責任が生じる可能性に言及した。

水原容疑者は大谷の銀行口座に不正にアクセスし、合計1600万ドル(約24億円)以上を不正違法賭博の胴元に送金していたと指摘した。水原容疑者が大谷にとって単なる通訳ではなく、公私にわたって支える存在となってしまっていたことが今回の問題の一因とみられている。一方、代理人のバレロ氏は水原容疑者の言い分を信じて大谷と直接話すことなく、水原容疑者を通して大谷にメッセージを伝えたとされる。通常から日本語を話す従業員を雇っていなかったことも分かっている。

水原容疑者が、大谷の口座に関して「大谷が監視をさせたくないと言っている」とうそをつき、バレロ氏や会計士側に確認させなかったとされることについて、清原氏は「もしかしたら今回の送金に関して、(バレロ氏も)法的にも責任を負う可能性があると思っている」と指摘。大谷の財産管理はバレロ氏とは別の会計事務所が担当していたという報道を受け、当初は「バレロ氏は責任はないと思っていた」としたものの、公表された訴状の内容を踏まえ「生の銀行口座を見ずに水原容疑者の言うことを信用することはあり得ないと思う。大谷選手が本当に銀行口座を見せたくない、と言うのかと。確定申告をする時に普通は見せますよねと、答えるはずだ」と述べ、バレロ氏は「(大谷が口座を見せたくないとした水原容疑者の主張を)おかしいと感じるはず。直接意思確認する必要があったが、それをやっていなかった」と指摘。「業務をしっかりやっていたのかという責任、バレロ氏側も法的に責任を問われるのではないか」と指摘した。

バレロ氏は連邦当局の捜査に対し、事務所には日本語を話せる職員がおらず、大谷との会話や連絡はすべて水原容疑者だけに頼っていたと明かしている。バレロ氏と経理担当、財務アドバイザーが経理業務のため、口座情報のアクセスを何度か求めたが、水原容疑者はその都度「この口座は私的なもの。大谷は情報をだれにも見られたくないと話している」と拒否し、不正送金に気付けなかったとしている。一方、大谷は捜査に「代理人と経理担当、財務アドバイザーがその口座情報にアクセスしていると認識していた。水原容疑者に口座の管理を任せたことはない」と説明している。