立憲民主党の蓮舫参院議員は16日、同日告示された衆院東京15区補選(4月28日投開票)の同党候補の応援のため東京都江東区で街頭演説した際、ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳で、銀行詐欺容疑で訴追された水原一平容疑者(39)の問題に言及する場面があった。

蓮舫氏は、水原容疑者の問題を引き合いにしながら、政府のギャンブル依存症対策は不十分だと指摘。「残念なことに、アメリカでギャンブル依存症と告白した水原一平容疑者は、20億以上のお金を解かしちゃったんでしょ?。足りなくなった金は翔平さんの口座から取った。もうかった金は自分の口座に入れる。そして今、アメリカで罪に問われている。これがギャンブル依存症の怖さです」と言及した。

「カジノは、負けた人のもうけが利益なんです。安倍(晋三元首相)さんが生きている時、私はこのことを国会で何度もやりとりした。(安倍氏は)『ギャンブル依存症対策をやる。政府がやるから大丈夫だ』と。ところが、政府のギャンブル依存症対策推進本部の会議、閣僚で構成され総理がトップだが、もう2年開かれていない」と述べ「法案が通ったら、こういうことになる。なのに大阪万博、カジノ、IRをまだ進める気ですか」と、大阪湾の人工島、夢洲(ゆめしま)で計画されているカジノを含む統合型リゾート(IR)の建設に疑問を呈した。

江東区では、元自民党の国会議員がIR事業をめぐる汚職事件で収賄と組織犯罪処罰法違反の罪に問われている(最高裁に上告中)ことや、柿沢未途氏(自民党を離党)が昨年の区長選をめぐる公選法違反事件で辞職したのが原因で、今回の補選が行われていることに触れ「こんな間違った政治は正さないといけない」とも訴えた。

一方、大阪・関西万博の会場建設費が当初の2倍近い最大2350億円まで増えたことに関し、「費用が増えたら、維新が多い大阪の市議会や府議会は『負担増分は国が対応してほしい』と。さすが、身を切る改革だ。こういうことはおかしい。ぜひ、今回の選挙でも政党を選ぶ際の参考にしていただきたい。まっとうな政治をやりましょう」と、指摘する場面もあった。

東京15区補選には、NHKから国民を守る党の新人で弁護士の福永活也氏(43)、無所属の作家、乙武洋匡氏(48=国民民主党、都民ファーストの会推薦)、参政党の新人で看護師吉川里奈氏(36)、元衆院議員で無所属の秋元司氏(52)、日本維新の会の新人で元会社員の金沢結衣氏(33=教育無償化を実現する会推薦)、つばさの党の新人で会社経営の根本良輔氏(29)、立憲民主党の新人で元江東区議の酒井菜摘氏(37)、日本保守党の新人で大学客員教授の飯山陽氏(48)、無所属の新人で前参院議員の須藤元気氏(46)も立候補を届け出た。