藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が挑戦者の豊島将之九段(33)に先勝した、将棋の第82期名人戦7番勝負第2局が23日からの2日制で千葉県成田市「成田山新勝寺」で行われる。対局前日の22日、両対局者は検分を行った後、同市内のホテルで開催された前夜祭に出席し、決意を表明した。

成田空港は利用したことがある藤井だが、成田山新勝寺は初めて。「参道の門前町は、雰囲気がありました。ご本堂で護摩も体験して、対局に向けて気持ちが高まってきました。第1局はいくつかの反省点がありました。よりよい将棋が指せるよう頑張りたい」と語った。

20日には石川県加賀市で行われた叡王戦5番勝負第2局で同学年の伊藤匠七段(21)に敗れた。タイトル戦での黒星は、昨年8月の王座戦5番勝負第1局で永瀬拓矢王座(当時)に敗れて以来となる。タイトル戦の連勝は「16」で止まり、大山康晴十五世名人が1961年(昭36)12月の九段戦第3局から62年10月の十段戦第1局まで記録した17連勝に及ばなかった。気を取り直して臨む。

対する今回先手番の豊島は開幕局で優位に立つ場面もあった。終盤、詰めを誤って黒星を喫したが、「第1局は手応えがあった部分もありました。第2局も頑張りたい」と、巻き返しを図る。