藤井聡太王将(竜王・名人・王位・王座・棋王・棋聖=22)が永瀬拓矢九段(32)の挑戦を受ける、将棋の第74期ALSOK杯王将戦7番勝負第5局が8、9の両日、埼玉県深谷市「旧渋沢邸 中の家(なかんち)」で行われ、後手の藤井が永瀬を下し、シリーズ対戦成績を4勝1敗とし、4連覇を達成した。タイトル獲得通算28期とし、谷川浩司17世名人(62)を抜いて歴代単独5位となった。
終局後、渋沢栄一記念館で記者会見した。
会見での主な一問一答は以下の通り
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-後手で公式戦初の角道を開ける初手を披露した。このタイミングで選んだ理由は
藤井 シリーズが始まったときから後手番のときは「3四歩」と突くことも含めて作戦として考えていた。本局で試してみた。初めて指すことになるので、ちょっと分からないことも多かった。序盤、それほど悪くならず、乗り切ることができた。
-通算獲得タイトルが28期となり、谷川17世名人を抜いた
藤井 実感はないが、記録を超えることができたのは光栄に思う。
-本年度の対局を振り返って
藤井 成績はこれまでと比べ、ふるわなかった。対局を通して得たものは多かった。強くなるために取り組んでいくことが求められる。
-「新手」を指す決断に至った変遷は
藤井 最近、後手番で苦戦する、何か変化することが求められているかなと思っていた。以前は実践においては最善を突き詰めていけば、どうなるかとの考え、意識が強かった。結局、考えても本当に分からないことが多い。実践で手順に変化していく中で、考えていくのも大きな意味があるのかなと感じるようになった。
-デビュー9年目での新しい選択だった
藤井 公式戦の長い持ち時間の中で指してみて、手応えであったり、得られたものも多くあった。今後に活きるものだと感じた。
-実際に「新手」を指し、その先の展開は、まったく違う地平線が広がっているのか
藤井 2手目に「8四歩」と突くか、「3四歩」と突くかで、戦型が変わってくることが多い。公式戦で初めて指してみて、新鮮な感じがあった。
-永瀬九段とは17年からVS(ブイエス=1対1の練習対局)を行う研究パートナー。これまで練習対局で本局の「新手」を指したことは
藤井 練習対局では何回か指したことはあった。「3四歩」と突くことは、意表を突くということはではないと思っていた。その後にバランスを取っていけるか大切だなと思っていた。
-4月から永瀬九段との名人戦7番勝負が始まる
藤井 王将戦をベースに、そこからどう工夫していくかと思っている。

