連載「鳥海高太朗の静岡深掘り」第5回は、「静岡空港、ソウル便1日2往復がスタート」がテーマです。月2回の連載で、航空・旅行アナリスト鳥海高太朗氏(46)が、静岡に関する身近な話題を分かりやすく解説。お得な情報もお伝えします。

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富士山静岡空港(静岡県牧之原市)は、今年に入ってから国際線がこれまで以上に充実している。インバウンドだけでなく、静岡から利用する人にとって利便性が大きく向上した。その中でも注目はソウル線。韓国のチェジュ航空が6月1日から静岡~ソウル(仁川)線を増便し、毎日2往復体制が始まった。

静岡空港発は午前10時10分発と午後5時55分発の2便だ。ソウルの仁川空港まで約2時間15分。午前10時台の便が新設されたことで、昼過ぎにソウルに到着できるようになった。帰国便のソウル発は午前6時50分発と午後3時10分発の2便。2往復化が実現したことで、2泊3日でもソウルを十分に楽しめるようになり、羽田空港、成田空港、中部空港などへの交通アクセスを考えても格段に便利だ。韓国ではグルメ、エステ、ショッピングを楽しむだけでなく、K-POPや韓流映画やドラマのロケ地巡りなどの推し活にも使える路線である。

それ以外にも、静岡から直接行ける海外旅行先として注目なのが香港だ。昨年12月からLCCの香港エクスプレスが静岡~香港線を週3往復(毎週火、木、土)で運航を開始。静岡から香港までは約5時間のフライトで、静岡発は午後2時45分発で香港に午後6時5分に到着。香港発は午前8時55分発で静岡に午後2時に到着するスケジュールとなっている。

香港はグルメの宝庫で、飲茶(ヤムチャ)をはじめとした広東料理、マンゴープリンやエッグタルトなどのスイーツが楽しめるほか、夜景やお寺巡りなどの観光スポットも多い。チェジュ航空も香港エクスプレスもLCC(格安航空会社)で、各航空会社のホームページからの購入も可能。不定期に販売されているセール運賃を使えば、国内へ出かけるよりも安く韓国や香港へ行くことができる。

〇…静岡空港の国際線は現在、チェジュ航空のソウル行き(1日2便)、香港エクスプレスの香港行き(週3便)に加えて、中国東方航空の上海行き(週4便)、北京首都航空の杭州行き(週2便)が運航。JR静岡駅や金谷駅などからのバスだけでなく、大きな荷物がある時は車が便利だ。

静岡空港の駐車場は有料エリアと無料エリアがあり、ターミナルに近い有料エリアでも1日最大500円。車でのアクセスも便利だ。富士山静岡空港によると、2024年度(23年4月~24年3月)の静岡空港利用者全体で63万2610人、うち国際線利用者は20万5101人だった。参考までに、羽田空港では国際線が主に発着する第3ターミナル直結駐車場で最大2140円、成田空港では最大2100円となっている。

25年度はソウル線増便や香港線新規就航効果で、国際線利用者が増えることが予想される。2024年度でソウル線は83・4%、香港線は80・3%と高い搭乗率を記録している。日本人よりも訪日外国人観光客の利用比率の方が高いが、静岡県民をはじめ、日本人の利用が増えて双方向の需要がより生み出されることで、更なる新規路線や増便が期待できる。次の新規就航はどの路線になるのかにも注目していきたい。

◆鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)1978年(昭53)7月17日、千葉県生まれ。成城大卒。航空・旅行アナリスト、帝京大学理工学部非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を巡りながら体験談を中心に各種雑誌・経済誌などで執筆している。静岡第一テレビ「every.しずおか」のコメンテーターとして静岡県内も精力的に取材している。