今月20日に就航する日本郵船の豪華客船「飛鳥3」の見学会及び命名式が11日、横浜市の横浜港大さん橋国際客船ターミナルで行われた。所有する郵船クルーズとしては34年ぶりの新造船となる。

34年前の1991年(平3)には、初代の「飛鳥」(06年、ドイツに売却)が就航した。相前後して各社が豪華客船を投入した。この時が、日本のクルーズの黎明(れいめい)期と言ってもいいだろう。以来、国内外のクルージングを催行させて、顧客を獲得してきた。

昨年の日本のクルーズ人口は約20万人。世界の3170万人に比べてかなり少ない。今後、郵船クルーズでは28年、ディズニークルーズの大型新造船(総トン数約14万トン、乗客数約4000人)の竣工も予定している。まだまだ増える見込みはある。

19世紀末から戦前まで、日本の客船はサンフランシスコやシアトルといった北米航路、サンパウロなどの南米航路、欧州航路などで活躍していた。造船技術に裏付けられた速力、最高級ホテルと肩を並べるほどの食事などが高く評価されていた。

不幸にも太平洋戦争が勃発し、輸送船として徴発されたり、航空母艦に流用された。多くの客船が沈められたり、解体された。戦果をくぐり抜けてきたのが、病院船や引き揚げ船としても活躍し、今なお横浜港に停泊している氷川丸だ。

戦後80年、新たなクルーズ人口の掘り起こし、市場の成長の一翼をこのたび就航する「飛鳥3」が担う。