トランプ米大統領が6日、自身のSNSで米国のフランシス・フォード・コッポラ監督のベトナム戦争を描いた映画「黙示録」(1979年)をパロディーにした画像と共に「シカゴは、なぜ『戦争省』と呼ばれるのか、もうすぐ分かることになるだろう」と投稿し、物議を醸している。
「朝のナパームの匂いは格別だ」という映画の有名なセリフをほうふつさせる「朝の強制送還の匂いは格別だ」の一文も使用しており、イリノイ州シカゴでの大規模な移民取り締まり作戦と連邦軍派遣の可能性を示唆した。
トランプ大統領は前日、国防総省を「戦争省」に改称する大統領令に署名したばかりで、シカゴ市民を恐怖に陥れている。
人工知能(AI)で生成したとみられる画像には、サングラスに帽子をかぶって映画の登場人物に扮(ふん)したトランプ氏が描かれており、背景にはシカゴの高層ビル群の上を飛ぶヘリコプター5機と炎も見える。画像には、「地獄の黙示禄」の原題「アポカリプス・ナウ」をもじってシカゴの地名を使った「シポカリプス・ナウ」の文字も添えられている。
2026年11月の中間選挙を前にトランプ大統領は、政権の移民政策などに反対の立場を取る民主党の首長がいるカリフォルニア州ロサンゼルスや首都ワシントンDCなどに治安の悪化を理由に州兵や連邦軍を派遣している。大規模な移民取り締まりの実施がメディアで伝えられたシカゴでも、ICEに反対する大規模な抗議活動が行われていた。
民主党のプリツカー・イリノイ州知事は、「米国の大統領が米国の都市に戦争を仕掛けると脅している。これは異常だ」とX(旧ツイッター)に書き込み、独裁者になりたがっている人物に屈することはないと宣言し、批判した。また、シカゴのブランドン・ジョンソン市長も、「大統領の脅迫は国家の名誉を毀損(きそん)するものであり、現実には彼はシカゴを占領し、憲法を破ろうとしている」「私たちは互いを守り、ドナルド・トランプ大統領からシカゴを守ることで、この権威主義から民主主義を守らなければならない」とXに投稿した。
ネットでも「トランプ大統領の権威主義的なナンセンスは度を越しており、シカゴに対する『シカゴ崩壊』の脅しは、まさに独裁者の雰囲気を漂わせている」などの批判が寄せられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)

