昨年11月の兵庫県知事選を巡り、公選法違反(買収、被買収)容疑で告発され、県警が書類送検した斎藤元彦知事(47)と同県西宮市のPR会社「merchu(メルチュ)」の女性経営者の折田楓氏について、神戸地検は12日、嫌疑不十分とした。斎藤氏側がメルチュに支払った金は「選挙運動の報酬として認められなかった」とした。

折田氏は同日、自身のインスタグラムを更新。不起訴処分を受け、声明を発表。今回の騒動は選挙後、折田氏が選挙戦を振り返る記事をネットに投稿したことに端を発した。「不正な対価の授受はもちろんのこと、いかなる不正行為の事実も断じてございませんが、私の発信により誤解を招いてしまったことを深く反省しております」などとつづった。

この問題では斎藤氏側がPR会社に支払った71万5000円が選挙運動の対価に当たるかどうかが焦点となった。斎藤氏は、支払ったのは公選法で認められたポスター制作費などで、選挙運動の対価ではないと説明し、違法性を一貫して否定。地検が慎重に調べていた。以下、発表全文。

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昨年から続いております兵庫県知事選挙に関する件について、神戸地検より不起訴の判断が示されたことを確認いたしました。

本件により、多くの皆さまにご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心から深くお詫び申し上げます。

不正な対価の授受はもちろんのこと、いかなる不正行為の事実も断じてございませんが、私の発信により誤解を招いてしまったことを深く反省しております。今回の経験を通じて、自らの言葉の重みと責任を改めて痛感しました。

一連の厳しい状況の中であっても、私を信じて温かい言葉や励ましを寄せてくださった方々がいらっしゃいました。この1年間、これまで経験をしたことのない出来事が身の回りにたくさん起こり、心身ともに何度も限界を突破しましたが、様々な形で届いた温かい言葉や励ましの一つひとつが、私を奮い立たせ、前を向かせてくれました。直接声をかけてくださった方々、静かに見守ってくださった方々、日々関わりのあるクライアントや地域の皆さま、従業員とそのご家族など、すべての方々に心から感謝しております。

疑惑を持たれている間は、弁護士に相談の上、発言を控えておりましたが、その間、事実と異なる報道や記事、誹謗中傷などが数多く見られました。私自身は、この一年間、捜査等に協力をしながら、発生し続ける問題に一つひとつ真摯に向き合い、また、本業においては、クライアントからいただくご相談や課題解決のために、従業員とともに目の前の仕事に集中して取り組んでまいりました。繰り返しになりますが、それらができたのは、すべてのみなさまの支えがあったからです。本当にありがとうございました。

本件を重く受け止め、この経験から学び、人としても経営者としても成長し続けることで、信頼を回復してまいります。どんな状況でも謙虚な気持ちと感謝を忘れず、誠実に歩みを進めてまいります。

折田楓