藤井聡太竜王(名人、王位、棋聖、棋王、王将=23)が佐々木勇気八段(31)の挑戦を受ける、将棋の第38期竜王戦7番勝負第4局が12、13の両日、京都市「京都競馬場」で行われ、後手の藤井が佐々木を破って4勝0敗で防衛、5連覇を飾った。竜王連続5期獲得により、史上3人目の永世竜王資格を獲得した。「永世称号」は棋聖、王位に続き、早くも3つ目となり、23歳3カ月での「永世3冠」は羽生善治九段(55)の25歳11カ月の最年少記録を超えた。これで通算タイトル獲得数は32期となり、歴代単独4位となった。
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数々の名勝負が繰り広げられた京都競馬場。6階の貴賓室「菊の間」からはゴール板が見え、京都の山並みが一望できる。終盤となる最後の直線、藤井が“豪脚”を披露し、先行する佐々木を差しきった。
終局後、激しい攻め合いとなった100手目に金銀両取りの桂の打ち込みは「勝負手だった」と明かし、競馬場で「桂馬」を見事に活用した。
これで羽生、渡辺明九段に続き、史上3人目の永世竜王資格を獲得した。日本将棋連盟によると、3つ以上の永世称号を得たのは最多7冠の羽生、5冠の故大山康晴15世名人、5冠の中原16世名人のみで、史上4人目だ。23歳3カ月での永世3冠は“羽生超え”の史上最年少となった。
永世3冠の偉業に「これまでの積み重ねが結果に表れたことはうれしく思います。これからも意識することはないかと思いますが、満足せず、結果として積み重ねていけるように頑張りたいと思います」とさらなる高みを目指す。
課題はある。7冠を保持して25年をスタートしたが、今年9~10月の王座戦では同学年の伊藤匠叡王に敗れ、昨年の叡王戦に続き、2度目の失冠を経験した。叡王戦も王座戦も1日で決着がつき、時間計測はチェスクロック方式。1分未満は消費時間に加算されないストップウオッチ方式とは違い、チェスクロック方式は秒単位で持ち時間が減っていく。“短距離戦”では終盤戦で残り時間が少なくなってから局面を正確に判断するミスが出てしまうことに「持ち時間の違いがあるかなと思うが、それを含めて対応していくことが課題です」と克服を口にした。
一方で竜王戦など2日制の7番勝負の“長距離戦”では、18回登場し、敗退なし。長丁場では展開を深く読み、最後に抜け出すのが「藤井将棋」の神髄だ。「菊花賞」が開催される「淀」の大舞台で、年内最後のタイトルをストレート防衛した。「将棋の幅を広げていけたらなと考えています」。若き第一人者が新しい年を迎える。【松浦隆司】

