藤井聡太棋王(23)が前期に続いて増田康宏八段(28)の挑戦を受ける、将棋の第51期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第1局が8日午前9時から松山市「道後温泉ふなや」で行われた。序盤から前例のない力戦模様となった対局は午後7時5分、118手で後手の増田が勝ち、うれしいタイトル戦初勝利を飾った。4連覇を目指す藤井は、棋王戦4年連続の登場で初めて黒星スタートとなった。第2局は21日、金沢市「北國新聞会館」で行われる。
藤井が天井を見上げた。ほおづえをついたり、ため息をもらす。万策尽きたとみて、投了を告げた。過去10勝1敗と圧倒的にリードしていた、後手増田の積極的に指し回しに押され気味となる。「序盤で失敗して消極的にしてしまった。バランスを崩して自信が持てない展開になってしまった」と振り返った。
3、4日、東京都立川市「オーベルジュときと」で行われた王将戦7番勝負第3局でも、挑戦者の永瀬拓矢九段の鮮やかな指し回しの前に完敗し、7番勝負のシリーズ途中で初めて黒星が先行した。
気を取り直して、松山入りした際には鉄路を選んだ。岡山からJR予讃線の特急「しおかぜ」に乗り、「鉄分補給」をした。車体傾斜装置を搭載した在来線特急の軽快な走りを見習おうとしたが、盤上では軽快さを欠いた。
5番勝負での初戦敗退は、23年8月の王座戦以来。タイトル戦では今年1月の王将戦以来となる。「面白い場面を作ることができなかった。より熱戦にできるように頑張りたいと思います」。ここから巻き返すしかない。

