藤井聡太名人(竜王・王位・棋聖・棋王・王将=23)への挑戦権を争う、将棋の第84期A級順位戦最終一斉対局が26日午前9時から静岡市「浮月楼」で行われた。
2勝6敗と結果次第で1クラス下のB級1組への降級もあった佐藤天彦九段(38)は、7勝1敗でトップを並走していた永瀬拓矢九段(33)を下し、3勝6敗として自力で残留を決めた。もう1人の降級候補だった2勝6敗の中村太地八段(37)は、増田康宏八段(28)に敗れて2勝7敗となり降級した。トップ10人総当たりのA級順位戦の今期は渡辺明九段(41)が2回戦以降、休場したために1勝8敗で降級。最終9回戦で、降級2人のうちのもう1人が決まった。
「貴族」佐藤が意地を見せた。雁木(がんぎ)から四間飛車という陽動作戦で、名人戦挑戦者争いを同星の糸谷哲郎八段(37)と演じていた永瀬を幻惑し、快勝した。「指し方次第で対応するというイメージでした。終盤、少しいいのかなという局面が続いた。決めきるまで大変でした」。
永瀬とは前期6勝3敗で並び、挑戦者決定プレーオフの末に敗れた。1年たって、立ち位置が変わっていた。今期はいきなり4連敗。「厳しいと思っていた。なんとか残留できたのは良かったと思います」。がけっぷちから持ち直した。
居飛車党から振り飛車を採用し始めたが、思うような結果が出ず、最近になって再び居飛車を指すようになっている。「実験的なアプローチを試みたが、結果は厳しく、改めて練り直して臨まないといけないと思います」と来期に目を向けていた。

