藤井聡太名人(竜王・王位・棋聖・棋王・王将=23)への挑戦権を争う、将棋の第84期A級順位戦プレーオフ、永瀬拓矢九段(33)対糸谷哲郎八段(37)戦が2日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。トップ棋士10人による総当たり戦を7勝2敗の同星で終えた両者の対決は141手の混戦の末、糸谷が抜け出してうれしい名人戦初挑戦を決めた。

後手の永瀬の2年連続2回目の名人戦挑戦はならなかった。相雁木(がんぎ)から先に仕掛けた。「力戦になりやすい将棋。こちらが仕掛けていく順を見せてどうかと思いました。手探りでやっていて、1手1手難しいと思いました。攻め合いのメドが立ってやっていったが、その後に問題があった」と言う。

結果的に難解な局面を豪腕で乗り切る「糸谷ワールド」にはまってしまった。「勝ちみがない展開になってしまったと思いました。全体的な力を求められていたと思います」と残念そうだった。

今期は増田康宏八段、渡辺明九段(渡辺休場のため不戦勝)、佐々木勇気八段、近藤誠也八段、千田翔太八段、豊島将之九段に7連勝。今年1月27日に行われた6勝1敗で追っていた糸谷との直接対決に勝てば、最終9回戦を待たずに挑戦権を得られた。そこで敗れたうえ、佐藤天彦九段にも先月26日(静岡市「浮月楼」)の最終一斉対局でも敗れた。終盤失速してプレーオフも含めて3連敗。単独トップ、挑戦最右翼の座から滑り落ちた。

「総合力が求められていたのに、修正しきれなかった。とても残念なんですけど、どういう状況でもベストを尽くさなければと感じています」と悔しさをかみしめていた。