まさに完勝。直線に向いた時の手応えが違いすぎました。リバティアイランドは中団の外を回り、直線も馬群の外をスムーズに上昇し、抜け出しました。川田騎手は不利のない競馬だけを心がけたと思います。能力、末脚の違う馬が不利なく100%の力を出せば、これほどまでに強いのか。そういった競馬でした。
こういう表現が正しいのか分かりませんが“前走で負けておいてよかった”。私はそう思います。そのアルテミスSは直線で包まれて2着に敗戦。どんなに強い馬でも、不利があれば負けることもある。それが競馬です。だからこそ、G1で同じ轍(てつ)は踏まない。川田騎手の強い気持ちが見えた騎乗でした。
その川田騎手は新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、週初めの香港騎手招待競走を辞退しました。果たしてリバティアイランドには騎乗できるのか。もちろん、彼自身の体調面を第一に、私も心配していましたが、大事に至らず本当によかったです。継続して川田騎手が騎乗できたことがリバティアイランドには大きかったと思います。
それにしても、直線の加速力は末恐ろしいものでした。鞍上の合図を受けた瞬間に、トップスピードに入った感じです。父ドゥラメンテの15年皐月賞を思い起こさせる反応でした。これだけの強さを見せられれば、同じ距離、コースで行われる来春の桜花賞も堅いのではと想像します。
2着シンリョクカには驚きましたが、陣営は翌週の朝日杯FSにも登録を行っていました。阪神JFを抽選で除外になれば、牡馬が相手でも出走するプランがあったのでしょう。なんとしてもG1に使いたい、それだけの素質があることを厩舎サイドが見込んでいたのでしょう。その見立てが好走で証明されました。
3着ドゥアイズは上がり2位。同1位は6着のドゥーラ。この2頭は札幌2歳Sの2、1着馬です。洋芝の重賞で好走する力のある馬は、今の時期の阪神芝に合うのでしょう。(JRA元調教師)





