的場均騎手(41)騎乗の1番人気エルコンドルパサー(牡、二ノ宮)が4歳マイルNO・1の座についた。注目された4戦4勝馬対決のライバル、2番人気のトキオパーフェクト(牡、古賀史)をマークして進み、直線で鮮やかに抜け出した。無傷の5連勝でのG1完勝に、オーナーサイドは来夏の欧G1挑戦のプランを明らかにした。トキオパーフェクトは直線失速し15着に惨敗した。

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強い。エルコンドルパサーの形容詞は、この一言で十分だった。無敗馬対決で騒がれたものの、終わってみれば独壇場だった。4角を回って早々と先頭に立つ横綱相撲で、それから約400メートルの間、先頭を守りきった。無敵の5戦5勝。「いやあ、(ゴールは)遠かったです」と的場は振り返るが、追いすがる後続に影も踏ませなかった。

相手は蛯名・トキオパーフェクト1頭に絞っていた。向正面で的場は巧みに進路を取り、トキオの直後、4番手につけた。ライバルにプレッシャーをかける。「何かを行かせて控えようという蛯名君の考えは分かっていた。ペースもそう速くならないと読んでいたし、このままくっついていけばと思っていた」。的場の読み通り、アマロのつくったペースは例年より落ち着いていた。1000メートル通過は58秒5。一昨年の56秒7、昨年の58秒2と比較しても遅い。追走は、全く苦にならなかった。圧勝の裏には的場の冷静な判断があった。

4角でエルウェーサージュが外にもたれ、あおりを受けたエルコンドルパサーが大きくはじき飛ばされた。的場が唯一、肝を冷やした場面だ。「あれだけが誤算だった。立て直すためにハミをかけたら、必要以上に加速してしまった。一瞬ヒヤッとしたが、すぐ落ち着いてくれた」。

態勢を立て直すと、トキオとの手ごたえの違いは歴然。的場が軽く手綱をしごくのに対して、蛯名は目いっぱいに追いまくっている。この時点で勝負あり。G1戦8勝目を挙げた的場は、東京競馬場では初勝利となった。

開業9年目の二ノ宮敬宇(よしたか)師(45)は、うれしいG1初勝利に「装あん所で他馬と比較しても、自分の馬が一番しっかりしていた。無事に走ってくれたのが何よりです」と淡々と喜びを語った。重賞初勝利、G1レース初勝利とすべてエルコンドルパサーがもたらした。これで今年18勝でリーディングもガッチリ。今後は北海道門別の木村牧場に放牧され夏は休養、秋のグラスワンダーとの頂上決戦を待つ。【岡山俊明】

◆エルコンドルパサー ▽牡4▽父 キングマンボ▽母 サドラーズギャル(サドラーズウェルズ)▽馬主 渡辺隆▽調教師 二ノ宮敬宇(よしたか=美浦)▽生産者 Takasi Watanabe(米国)▽戦績 5戦5勝▽総収得賞金 2億1465万6000円▽主な勝ちクラ 共同通信杯4歳S、ニュージーランドT4歳S(ともに1998年=平10)

(1998年5月18日付 日刊スポーツ紙面より)※表記は当時