スピーディキック(牝3、浦和・藤原智)が単勝1・4倍の圧倒的支持に応え、南関東牝馬クラシック2冠を飾った。転入後はS13連勝で通算タイトルは5つ目。御神本訓史騎手(40)、藤原智行調教師(46)とも今レースは初制覇となった。

中団追走から徐々に進出し、迎えた4角手前。先行勢の外に進路を取り、2冠への道が開いた。ここからは持ち前の末脚を発揮。レディオスターの抵抗を受け、最後はコスモポポラリタが強襲してきたが、なんとか首差しのいだ。御神本騎手は「着差が着差でシビアなレース。なんとか陣営の仕上げ、馬の底力で2冠を達成できました」と安堵(あんど)の表情だ。藤原師は「勝ってこいという指示。ジョッキーが競馬をつくってくれると思っていました」。次走は6月15日川崎の関東オークス(統一G2、2100メートル)と、6月8日大井の東京ダービー(S1、2000メートル)の両にらみ。JRA勢を迎え撃つか、牡馬への挑戦か。可能性は大きく広がっている。【渡辺嘉朗】

<スピーディキック>▽父 タイセイレジェンド▽母 デザートフラワー(サイレントディール)▽牝3▽馬主 加藤鈴幸▽調教師 藤原智行(浦和)▽生産者 熊谷武(北海道浦河町)▽戦績 10戦6勝▽総収得賞金 8545万6000円▽主な勝ち鞍 21年リリーC(H3)、エーデルワイス賞(統一G3)、東京2歳優駿牝馬(S1)、22年桜花賞(S1)▽馬名の由来 敏速+蹴り

●勝負服

<コスモポポラリタ=2着>和田騎手 道中も集中して走っていた。気難しいところがあるから内にいた方がいい。今日の感じなら距離は延びてもいい。

<レディオスター=3着>酒井騎手 思い描いていたレースはできた。次はもうひと脚使うような競馬をさせたい。馬はどんどんよくなってきている。

<クールフォルテ=4着>笹川騎手 流れもよくて、いいポジションでしたけど、勝ち馬にこられた時に行けなかった。

<トキノゴールド=5着>矢野騎手 道中はいい感じで運べたけど、伸びかけたところで遊ばれた。本気で走っていない。

<レディオガガ=6着>森騎手 逃げて勝ってきた馬なので、悔いのない戦法で。頑張ったと思います。