欧州競馬は23日(土曜)のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、芝2390メートル、アスコット)で折り返し点を迎えます。

火曜の段階で出走を表明しているのは6頭。軽い脚部不安のため、ここを回避した英ダービー馬デザートクラウンの姿は見られませんが、3歳馬の代表としてG1愛ダービーを7馬身差で圧勝したウエストオーバー(牡3、父フランケル)と、凱旋門賞の前売りでも高い評価を受けている牝馬のエミリーアップジョン(牝3、父シーザスターズ)が参戦。古馬陣は昨年の2着馬で今月のG1エクリプスSで僅差2着したミシュリフ(牡5、父メイクビリーヴ)、前走のG2ハンザ大賞に勝って、凱旋門賞連覇への軌道に乗ったトルカータータッソ(牡5、父アドラーフルーク)、ロイヤルアスコット開催のG2ハードウィックSで自身6度目の重賞勝ちを飾ったブルーム(牡6、父オーストラリア)、それに昨年6月のG1コロネーションC以来、重賞での勝ち星はないものの、前走2着で復調気配をうかがわせるパイルドライヴァー(牡5、父ハーバーウォッチ)がエントリーしています。

ブックメーカー各社はウエストオーバーとエミリーアップジョンを人気にして、3歳馬2頭の一騎打ちムードをあおっています。

ただ1頭の牝馬エミリーアップジョンは、15日のG1愛オークスに出走を予定していましたが、英国からの輸送用貨物機が事故で飛ばず、急きょここに目標を切り替えての参戦。勝てる競馬を短頭差で落とした英オークスを含め、まずい騎乗が、ゴスデン調教師の怒りに触れて1度は関係解消となったデットーリ騎手でしたが、冷却期間を置いて両者のわだかまりも徐々に薄らいだ様子。先に騎乗依頼を受けていたパイルドライヴァーを断って信頼を取り戻すための出直し騎乗になります。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)