17日の英インターナショナルSを圧勝したバーイード(牡4、W・ハガス、父シーザスターズ)は凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)参戦が検討されることになった。レースから一夜明けた18日、レーシングポスト電子版が管理するウィリアム・ハガス師のコメントを伝えている。

 

デビューから無傷の10連勝、初の10ハロン(2000メートル)戦を圧勝したバーイードの次走について、ハガス師は「3つの選択肢があります。(当初のプランどおりに)英チャンピオンSに絞るか、愛チャンピオンSを使って、英チャンピオンSに向かうか、もしくは凱旋門賞に向かうか。(オーナーの)ヒッサ王女が2つのレースを使いたいと思うのなら、愛チャンピオンSから英チャンピオンSになるし、英チャンピオンSだけでいいならそうなるし、凱旋門賞に行きたいとなれば凱旋門賞に向かう。それ以外はありません」と話している。

 

バーイードは故ハムダン殿下(シャドウェルスタッド)の自家生産馬。昨年のハムダン殿下の死後は、娘であるヒッサ王女が「シャドウェル」を引き継いでいる。レーシングポスト電子版は、レーシングマネジャーを務めるアンガス・ゴールド氏のコメントも伝えており、ゴールド氏は「個人的には愛チャンピオンSはないと思います。登録はしてありますが、凱旋門賞についてヒッサ王女と話したときに彼女はウィリアム(ハガス師)の当初のプランで行きたいと言っていました。王女の心変わりがなければ、愛チャンピオンSも凱旋門賞も現段階ではないと思います」と語っている。

 

バーイードは凱旋門賞への登録を行っていないため、参戦には12万ユーロ(約1650万円)の追加登録料も必要になる。可能性は小さいものの、凱旋門賞への参戦が検討されたという報道を受け、大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」は単勝前売りオッズを6・0倍に設定。これは同社のオッズで日本のタイトルホルダー(牡4、栗田)と並ぶ1番人気タイとなった。

 

英インターナショナルSの直後から英国メディアでは「バーイード狂騒曲」が始まっている。2着ミシュリフに6馬身半差をつけたバーイードのパフォーマンスに英国の公式ハンデキャッパーは「135ポンド」のレーティングを与える見込み。現役最強馬バーイードは当初の計画通り英チャンピオンSに向かうのか、それとも愛チャンピオンSに向かうのか、12ハロン(2400メートル)の凱旋門賞に急転参戦があるのか…、世界中の関係者、ファンが注目している。