英国の芦毛の女王アルピニスタ(牝5、M・プレスコット、父フランケル)が断然人気に応え、G1・5連勝を果たした。鞍上はルーク・モリスで勝ちタイムは2分29秒92。昨年後半はベルリン大賞、オイロパ賞、バイエルン大賞でドイツのG1を3連勝。今年初戦だった7月フランスのサンクルー大賞を制しており、今回が地元英国で初のG1制覇となった。今後は今年の大目標である凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)へ向け、調整を進めていくことになる。

ヨークシャーオークスを制した馬は近年、凱旋門賞で結果を出しており、17、19年エネイブル、18年シーオブクラスはここをステップレースに好走。凱旋門賞を意識する牝馬が集う一戦となっているが、今年はアルピニスタの完勝だった。7頭立てで、モリス騎手を背に道中は3番手を追走。直線は愛G1プリティーポリーSの覇者ラプティットココ、内から迫った英オークス馬チューズデー(牝3、A・オブライエン、父ガリレオ)をねじ伏せた。1馬身差2着がチューズデー。3着がラプティットココ。愛オークス馬マジカルラグーンは5着だった。

レーシングポスト電子版はレース後のマーク・プレスコット師の談話を伝えており、プレスコット師は「凱旋門賞は常に彼女の目標になっています」ときっぱり。「昨年は(凱旋門賞出走を見送り)ドイツでG1を3つ勝つことを優先しましたが、私たちに敗れた馬(ベルリン大賞で2着に負かしたトルカータータッソ)が凱旋門賞を勝ってしまったので、私たちは賢明な判断ができていなかったのではと思いましたよ」と不敵なコメントを残している。

派手な勝ちっぷりではなかったものの、3歳世代の英愛オークス馬を破り、昨年からの連勝を7に伸ばしたアルピニスタ。凱旋門賞へ向けた大手ブックメーカーの単勝前売りオッズはレース前の9~10倍から6・5~8・0倍へ変わっている。各社が1番人気にしている日本馬タイトルホルダー(牡4、栗田)のオッズは6~7倍。今年の凱旋門賞はレースまで残り1カ月半で、大混戦の様相となっている。