サマースプリントシリーズ第5戦・キーンランドC(G3、芝1200メートル、28日=札幌、1着馬にスプリンターズS優先出走権)の最終追い切りが24日、札幌、函館両競馬場で行われた。「追い斬り激論」では、札幌担当の東京・井上力心(よしきよ)記者が重賞連勝を目指すウインマーベル(牡3、深山)を、函館担当の大阪・奥田隼人記者が連覇を狙うレイハリア(牝4、田島)を推奨した。

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奥田 月曜に函館入りしました。北海道シリーズも今週、来週と残り2週、よろしくお願いします!

井上 函館はこの水曜(24日)で滞在調整も終了だね。札幌で待っているよ。まずは勢いをつけるためにキーンランドCを仕留めよう。こっちは葵Sからの重賞連勝を目指す3歳馬ウインマーベルを推したいね。芝コースでヒノクニ(3歳1勝クラス)を大きく追走して馬なりで併入。5ハロン66秒2-12秒0。芝崎助手は「並ぶまでに時間はかかったけど、取り付く脚は良かったし、納得しています。態勢は整っていると思う」と順調な仕上がりだよ。

奥田 道中の手応えが少し気になりましたが…。

井上 調教の動きが目立つタイプではないし、個人的にはラストで併せてからの動きが良かったと思う。調教では外しているけど、レースでは初勝利の時からブリンカーを着用していて、オンとオフがはっきりしている馬。同助手も「競馬に行くとスイッチが入る」と言っているし、本番では道中の進みも変わってくると思うよ。

奥田 洋芝では【0 0 3 1】と勝ちきれていませんが、大丈夫ですか?

井上 追い切った札幌の芝は、荒れて時計がかかるタフなコンディションだったけど、パワータイプで全然気にせず走れていた。過去4戦、洋芝を走ったのは2歳の夏。明らかに馬も変わっているからね。重量54キロも有利だし、心配ないと思うよ。

奥田 函館では連覇を狙うレイハリアが目立ちました。こちらは昨年の葵S覇者です。ウッドコース、単走で4ハロン54秒0-12秒5。輸送も考慮して馬なりでしたが、素軽い中に力強さも感じました。田島師も「力みなく走れて、体をうまく使えていた」とうなずいていました。

井上 4連勝から2戦大敗の後、前走の函館SSは4着。去年から4キロ増の55キロだし、厳しくない?

奥田 前走は意識して積極的に運び、師は「次につながりそうなイメージだった」と復調を感じていました。重量は鍵ですが、去年から馬体もパワーアップしています。さらに、秘策は初ブリンカー。前走後に松岡騎手から進言があり、集中力を増したい陣営の思いも合致しました。追い切りから装着し、師も「効果はあると思う」と言っています。このレースを連覇した馬はまだいませんが、可能性は十分だと思います。

井上 葵S覇者、ブリンカー着用と共通点の多い2頭の対決が楽しみだね。