出世街道を突き進め! 土曜札幌メインの札幌2歳S(G3、芝1800メートル、9月3日)は、ブラストウェーブ(牡、大竹、父ハービンジャー)がデビュー2連勝での重賞制覇を狙う。

18年有馬記念を制した全兄ブラストワンピースに似た、530キロを超える馬体は大物感が漂う。20年にソダシが勝つなど、出世レースとして注目される北海道シリーズ最後の重賞。未来への重要な一戦になる。

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肉付きのいい馬体のシルエットに、どっしりとしたたたずまい。フットワークの豪快さなどブラストウェーブは、ブラストワンピースと重なる部分が多い。全兄の調教もつけた岩藤助手は「走りや立ち姿、首さしなんかもすごく似てますね」。火曜朝は札幌競馬場の角馬場からダートを軽めに周回。水曜の最終追い切りに備えた。

兄は体質が強い方ではなく、デビューは2歳の11月。弟は育成牧場で順調に調教を進め、早期デビューが視野に入っていた。「ワンピースは背中が薄くて、負荷をかけると背腰を痛めていました。この馬は背中に厚みがあって柔軟。現状やれることはしっかりとやれてきています」と同助手は分析。大型馬の分、体を上手に使えなければ節々にかかる負担も大きい。現状、大きなアクシデントがないのは天性の才能だろう。

初陣を飾った7月の函館新馬戦は2番手から早めに抜け出し、2着馬を首差退けた。同助手は「調教の感触からして、もう少しめりはりの利いた走りをしてほしかったですね。余裕を持って走れば、もう少しそうした走りができると思う」。期待が高いだけ、求めるものは大きい。

ただ1度レースを経験し、中間は古馬との併せ馬など攻めた調教を消化した。「先週しっかりやって1段スイッチが入り、めりはりが出てきましたね。週末も反応が良くなっていたし、やるごとに良くなってきています」とトーンは上がってきた。兄以上の体質の強さと仕上がりの早さを武器に、大注目の出世レースに挑む。【井上力心】

◆出世レース札幌2歳S ここ2年の勝ち馬と2着馬の3頭が翌年にクラシックを制覇している。20年1着のソダシは桜花賞などG1・3勝。同年2着ユーバーレーベンはオークスを、昨年の優勝馬ジオグリフは今年の皐月賞を勝った。古くは00年ジャングルポケットと08年ロジユニヴァースが、それぞれダービー馬となった。