菊花賞トライアル神戸新聞杯(G2、芝2200メートル、25日=中京、3着までに優先出走権)の最終追い切りが21日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は東西のクロストーク。2戦2勝の東の秘密兵器パラレルヴィジョン(牡、国枝)を美浦の木南友輔記者が推し、同舞台の京都新聞杯覇者アスクワイルドモア(牡、藤原英)を、栗東のマイクこと藤本真育記者がプッシュした。

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木南 一気に涼しくなってきたね。秋到来かな。

マイク 3年連続で中京開催の神戸新聞杯です。

木南 基本的に春のクラシックを戦った上位人気馬が強いレース。ただ、中京開催のここ2年は一昨年に14番人気ロバートソンキーが3着。昨年は8番人気モンテディオが3着。上がり馬も無視できない。

マイク そこでパラレルヴィジョンですか。

木南 良かったよ。ウッドでモーソンピーク(古馬2勝クラス)の内から馬なりで楽々と半馬身先着。時計は5ハロン66秒2-11秒4を計時した。先週の併せ馬は前を走る別の組に追いついてしまって、直線は遠慮気味に見えたけど、今週は文句なし。大型馬でも重苦しさがなくて、体の使い方も柔らかい。毛色は違うけど、お父さんのキズナを思わせるグッドルッキングホース。

マイク 絶賛ですね。

木南 先週のローズSは同じ国枝厩舎で2戦2勝のサリエラが惜しい2着。国枝師の感触は遜色ない。「状態はいいのであとは相手関係。春に比べ、全体的に体がしっかりしたし、気になるところはない。ステイヤーという体形じゃない。レース後のことは終わってからだね」って。先月末からウッドの併せ馬は4週連続。菊花賞どうこうではなく、ここで同世代相手に強い競馬をするのか楽しみ。

マイク 栗東も期待馬がそろってますが、追い切りからお薦めしたいのは、僕もキズナ産駒のアスクワイルドモアです。

木南 京都新聞杯はレコードタイムの好走だったし、中2週のダービー(12着)は反動があったのかな?

マイク 夏を挟んで、見た目は大きく変わってないけど、馬体に迫力が出た印象です。最終追い切りはCウッドでダノンドリーマー(古馬2勝クラス)に首差先着して、時計は6ハロン83秒7-11秒4。いっぱいに追われると重心が沈み込み、質の良い動きでした。

木南 陣営の感触は?

マイク 岩田望騎手は「今日はしっかりと、という指示でした。春と比べてどっしりとしたような感じがあります。3角から直線にかけての反応も良かったし、いい形で最後も伸びてくれました。幅が出てきたなと感じます」と。ダービーで先着を許した馬たちが出るので、人気も落ち着きそう。京都新聞杯は3カ月ぶりだったし、今回も動きを見る限り、休み明けは問題ない。確実に印を回したい1頭だと思います。

木南 17年から前週が3日間開催なんだけど、水曜に追い切った馬が3勝(18年ワグネリアン、20年コントレイル、21年ステラヴェローチェ)、木曜に追い切った馬が2勝(17年レイデオロ、19年サートゥルナーリア)。ほぼ互角なんだ。

マイク 木曜に追われる馬たちにも注目ですね。

◆ダービー2桁着順馬の神戸新聞杯制覇 過去に7頭いる。最後に達成したのは86年タケノコマヨシ。ダービーは23頭立て18着に敗れ4カ月ぶりに出走した秋初戦の神戸新聞杯を6番人気で制した。