東西に有力馬が散らばるマイルCS(G1、芝1600メートル、20日=阪神)は、秋の新企画「追い切りの番人」も東西2人態勢だ。栗東のベテラン岡本光男記者は白毛のアイドル、ソダシ(牝4、須貝)に注目。坂路でのラスト2ハロン23秒7は自己最速。一流スプリンター並みの時計、動きをパワーアップと評価した。一方、美浦の桑原幹久記者は3連勝中のサマーマイル王ウインカーネリアン(牡5、鹿戸)をピックアップ。蹄葉炎(ていようえん)による1年の休養を経て、調教タイムに進化の色をにじませた。

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「11秒7」。ウインカーネリアンが朝霧を切り裂く。美浦ウッドの調教タイムを映すモニターに、当然のごとく好時計を刻んだ。記者が目視できたのは直線残り100メートルほどだが、鞍上の三浦騎手が手綱を抱えたまま、外ヴィアメント(古馬オープン)に楽々と並ぶ迫力は十二分に伝わってきた。6ハロン83秒8-11秒7。鹿戸師は「余裕で11秒台が出たし1コーナーまで伸ばしていい感じ。十分にファイトして予定通り」と充実の表情だ。

師も言葉にしたラスト1ハロン「11秒台」はひとつの指標になる。ウインカーネリアンは蹄葉炎(ていようえん)で1年の休養を挟む以前、「11秒台」をマークできたのは1度しかなかった。だが、休養後は、1年ぶりだった六甲Sを除けば最終追いはすべてラスト11秒台。米子S出走時は中間にエフフォーリアと3度併せ、11秒1の猛時計も出した。

鹿戸師 以前は加減しながらの調教で苦労したけど、思い切って爪の治療に専念した後は強い馬に胸を借りて稽古できるようになった。

コントレイル世代の皐月賞で4着の地力はだてじゃない。今夏は目標のサマーマイル制覇をきっちりとクリア。3カ月空いたが馬体や週2本の調教をきっちりと消化した中間の内容から、夏連戦の疲れや休み明けの雰囲気は皆無。三浦騎手も「本当にいい状態で帰ってきてくれたので、非常にここまで順調です」と舌を巻く。

父スクリーンヒーローも骨折での休養中に鹿戸厩舎へ転厩。1年の休養を経て、4歳秋にアルゼンチン共和国杯、ジャパンCを連勝した。師は「スクリーンヒーローの子でなかなか結果が出せなかったので、カーネリアンには何とか頑張ってほしい」と力をこめる。困難を乗り越えた5歳馬が、怒濤(どとう)の4連勝で冠をつかみ取る。【桑原幹久】