皐月賞(G1、芝2000メートル、16日=中山)は13日、枠順が確定した。定年により今年が最後のクラシック挑戦となる安田隆行調教師(70)が、素質馬ダノンタッチダウンと皐月賞制覇を狙う。

騎手時代には91年トウカイテイオーで皐月賞、ダービーを勝利。調教師としてはJRA・G1・14勝を挙げているが、クラシックは桜花賞で2度の2着(01年ムーンライトタンゴ、13年レッドオーヴァル)が最高。皐月賞は今年で9度目の参戦だ。騎手と調教師の双方で皐月賞制覇となれば、保田隆芳元師(騎手で68年マーチス、調教師で76年トウショウボーイ)以来史上2人目の快挙。「ジョッキーでクラシックを勝つだけでもすごい名誉なこと。調教師としては今年が最後の年になりますが、クラシックに出走できる馬がいるだけでも幸せなことです」と、笑顔を見せる。

ダノンタッチダウンは、G1朝日杯FS2着の実績馬。21年に1番人気で15着に敗れたダノンザキッドの半弟というドラマも重なる。同厩舎から数々の名馬を輩出した「ダノン」の勝負服に、鞍上は師弟タッグの川田騎手。「本当に縁があったんですね」と、クラシック初制覇の条件は整った。「できれば良馬場でやりたいですね。距離は初めてなのでやってみないと分からないが、折り合い面の心配は全くないです。ゴールをトップで、タッチダウンしてくれたらいいですね」。悲願のタイトルへ、豪快に飛び込む。【奥田隼人】