1番人気リュウノユキナ(牡8、岩戸)がゴール前で抜け出し、2年ぶり2度目の勝利を飾った。勝ちタイムは1分10秒3(やや重)。横山武史騎手(24)、岩戸孝樹師(56)とも東京スプリントは初制覇となった。
海外遠征後、転厩初戦もなんのその。8歳ベテランが堂々の走りで3つ目の重賞タイトルを手にした。好位のインを立ち回って迎えた直線。前を行くギシギシが壁となり進路が開かない。それでも「使える脚が長い馬ではないので、結果的にいい形で待たされて追い出すことができました」と鞍上。じりじりと外に切り替えると、先に抜け出したケイアイドリーを3/4馬身捉えた。「海外帰りでも調教に乗って状態は良かったし、すごく自信がありました」。会心の騎乗を見せた皐月賞(ソールオリエンス)に続いて笑みがはじけた。岩戸師は「手掛けるのは初めてで手探りでしたが、結果を出してくれてほっとしています」と安堵(あんど)の表情。次走未定も、まだまだ短距離戦線で存在感を示していく。【渡辺嘉朗】
◆リュウノユキナ▽父 ヴァーミリアン▽母 ネオカラー(クロフネ)▽牡8▽馬主 蓑島竜一▽調教師 岩戸孝樹(美浦)▽生産者 藤川フアーム(北海道新ひだか町)▽戦績 49戦10勝(うち地方15戦5勝、海外1戦0勝)▽総収得賞金 3億3575万6900円(うち地方1億5278万円、海外395万5900円)▽主な勝ち鞍 21年東京スプリント(Jpn3)、クラスターC(Jpn3)▽馬名の由来 冠名+野菜の一種
<ケイアイドリー=2着>藤岡康騎手 スタートで寄られるところはあったけど、切り返して思ったポジションで運べた。しっかり反応してくれて、勝ち馬に外に出られないように動かしていたけど…。ただ2度目の地方遠征で落ち着きもあった。
<オーロラテソーロ=3着>鮫島駿騎手 内の馬が全部挟まれるような不利があって二の脚がつかなかったけど、切り替えて外々を走れた。いい状態だったので、その不利が痛かった。
<エアアルマス=4着>森騎手 スタートで挟まれたのがすべて。今日はそれに尽きます。
<ギシギシ=5着>矢野騎手 思った通りの競馬ではあった。道中で息が入れられなかったけど、それも競馬。切れ負けするのは中央馬を褒めるしかない。
<アポロビビ=6着>笹川騎手 状態は良くなっていて、追走もできた。最後にかわされたのは残念だけど、競馬の形としては良かった。