天皇賞・春(G1、芝3200メートル、30日=京都)の1週前追い切りが20日、東西トレセンで行われた。昨年の菊花賞馬アスクビクターモア(牡4、田村)は、美浦ウッドで新コンビの横山武史騎手と初コンタクトを取った。

体全身を大きくしならせ、大跳びの豪快なストライドで躍動した。リードホースのキャプテンローレル(古馬1勝クラス)を5馬身程度前に置き、距離を保ちながら道中は折り合いを確認。軽く促されると内外離れた位置から反応良くかわした。時計は5ハロン64秒7-11秒5。大外いっぱいを回りながらも自己ベストを更新した。鞍上は「常歩(なみあし)の段階からさすがG1馬だなと感じました。柔軟性がとにかくすごい。パワーがすごくて予定より時計は速くなり、折り合いは難しかったけど、あれだけの時計で走っているのに息の入りはさすがだなと」と賛辞を惜しまなかった。

田村師も日経賞9着からの巻き返しへ向け確かな手応えをつかんでいる。「先週はめりはりがないなと感じていたけど、ジョッキーが乗ってグッと気が入った。本当に動く。リードホースをつけた追い切りもうまくいったと思っている」。単走ではなく前に馬を置いた新たな試み。変化をつけた調整方法に納得顔だった。本番は譲れない。いざ「最も強い」の証明へ。過程は至って順調だ。【井上力心】