今週日曜は、牝馬クラシック第2弾のオークス(G1、芝2400メートル、21日=東京)が行われる。

重賞2勝のキタウイングが“自然体”で大駆けをもくろむ。管理する小島師は08年秋華賞をブラックエンブレム、09年エリザベス女王杯をクィーンスプマンテと、いずれも11番人気でG1・2勝。「いい意味で気楽ですよ。まあせっかくだからいいところには来てほしいけどね」と肩の力を抜き、無欲の一発を狙う。

負担を考え初陣は1200メートル。以降マイルを6戦走り、NHKマイルCも選択肢にあったが、師は「距離はみんな未知だから。この馬も2200メートルくらいはこなせると思う」と距離の壁を感じない。根拠の1つが乳酸値。追い切り後の計測から比較的、中・長距離馬に近い数値が出た。「乳酸をうまくエネルギーに替えられている。折り合いも付くし、チャレンジする価値はあると思う」と期待する。

過去10年で上がり3ハロン3位以内が【9 5 5 14】の複勝率57.6%と、しまい勝負が多い一戦。キタウイングは全7戦中6戦で上がり3ハロンメンバー2位以内。堅実な末脚が武器になる。スターズオンアース、グランアレグリアの調教経験を持ち、2週連続で追い切りに乗った杉原騎手も「反応がよかったです。距離は持つと思いますし、左回りの方がいいですね」と好感触だった。絶好の内枠から後方で息を潜め、直線で豪快に翼を広げる。【桑原幹久】