今村聖奈騎手(19=寺島)がきょう13日、金沢競馬で実戦に復帰する。スマホの不適切使用に対する制裁で、11日まで30日間の騎乗停止処分を受けていた。
週末の中央開催に先立ち、金沢7RのJRA交流・能登舳倉島(へぐらじま)賞のメイショウケンセイ(牡3、笹田)をはじめ、同1、3、6、9、10、11、12Rでは金沢所属馬にも騎乗する。また、18日日曜のマーメイドS(G3、芝2000メートル、阪神)では自厩舎のハギノメーテル(牝4、寺島)で重賞にも騎乗する。
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気持ちを新たに再出発する。今村騎手はJRAでの騎乗が可能となる今週末に先立ち、金沢競馬の8鞍で実戦復帰を果たす。7RのJRA交流競走だけでなく、地元金沢の所属馬にもエキストラ騎乗することになった。「多くの依頼をいただいて本当にありがたいです。早く競馬に乗りたい、そして勝ちたいです」。改めて感じたその気持ちを胸に、再び歩みを始める。
「このたびは多くの関係者、ファンの方々にご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした。この1カ月間、自分を見つめ直し、競走馬に騎乗できる喜び、そして責任を再認識しました。今後はしっかりと結果を出して、皆さまに恩返ししていきたいです」
騎乗停止中の1カ月間はとにかく調教にまたがった。週中の栗東トレセンや競馬が開催される週末はもちろんのこと、牧場などでも積極的に騎乗。6月2~8日は函館競馬場でも調教に騎乗し、スキルアップに努めた。すべては信頼を取り戻し、また信頼される騎手になるため。できることをコツコツと重ねてきた。
デビュー1年目の昨年はJRA51勝をマークし、女性騎手として初めて新人王に輝いた。今年はこれまで15勝。もちろん、昨年を超える活躍を目指していく。「もう頑張るしかないです。1鞍1鞍を大切に、丁寧に乗っていきたいです」。日曜阪神のマーメイドSではハギノメーテルで重賞騎乗も予定。反省と感謝を胸に、再スタートを迎える。【藤本真育】
〇…今村騎手と4戦ぶりにタッグを組むハギノメーテルは重賞初挑戦に向けて気配良好だ。佐藤助手は「いい感じに動けている。調整過程はすごくいい感じ」と好感触を口にする。前走の高尾特別(2勝クラス、芝1400メートル)は逃げ切って勝利。「前走はいい勝ち方だった。馬体の充実が目に見えてきた。前走みたいに前へ行かせて、減量を生かす競馬ができたら楽しみはあるんじゃないかな」と期待を寄せていた。
■古川奈穂、函館で騎乗再開
今村騎手と同様に30日間の騎乗停止期間を終えた古川奈穂騎手(22=矢作)は今週末の函館でレース騎乗を再開する。「ずっと函館で騎乗し、そのまま札幌開催まで行きます」と、この夏は基本的に北海道をベースとする。騎乗停止中は大井競馬場で調教に騎乗していた。「今月4日まで大井で乗せてもらいました。経験したことのないことを経験させていただいたり、勉強になりました」と刺激も受け、復帰後に生かしていく構えだった。
■永島まなみ&河原田菜々、あす名古屋
同じく騎乗停止期間が明けた永島まなみ騎手(20=高橋康)、河原田菜々騎手(18=渡辺)の2人は、あす14日に名古屋競馬で復帰する。名古屋10RのJRA交流競走、名古屋CCピーチ賞(ダート1500メートル)で、永島騎手はビッグボーンリタ(牝3、高橋康)に、河原田騎手はメイショウスイセン(牝3、荒川)にそれぞれ騎乗する。また、永島騎手は翌15日にも園田8RのJRA交流・加古川特別(ダート1400メートル)でカネトシディーバ(牝5、高橋康)に騎乗する。