将来自分は何になりたいのか-。目標に向かって、努力する、汗を流す夏がやってきます。

今朝も午前5時半から馬場で調教が始まり、週末のレース、来週のレースに向けて、多くの馬が速い時計を出しました。いわゆる「追い切り」が行われる水曜の朝です。函館の場合はウッドチップコース、ダートコース、芝コースの3種類のコースがあります。ウッドチップはクッション性が高く、脚もとへの負担を少なくしながら負荷をかけられる。ダートや芝は実際にレースで使用するコースを走る(試走する)ことができる=「レースコースギャロップ」なので、本番を意識した調教ができます。

午後の厩舎作業が終わった夕方の厩舎地区を歩くと、机に向かい、ノートを開いて勉強している厩舎スタッフの姿をたくさん見かけます。トレセンには1年中、多くの受験生がいます。調教師を目指す現役の調教助手、厩務員、ジョッキーたちです。日本中に、大学受験、高校受験、中学受験、そして、さまざまな資格試験に挑む受験生がいるように…。私自身も高校を卒業後、大学受験で浪人生活を1年、経験させてもらいました(わがままを許してもらったことに感謝しています)。「受からなければ…」。そんなプレッシャーや誘惑と戦いながらの日々は大変です。

夏になれば…、だいたい8月初旬に翌年度の「調教師および騎手免許試験要領」が書かれた「日本中央競馬会会報」が出されます。秋に行われる調教師免許試験(新規)までの時間は長いようで短く、短いようで長いもの。9月中旬に行われる一次の筆記試験は非常に難関だと言われます。

(イ)競馬関係法規に関する専門的知識および労働関係基本法規に関する一般的知識(ロ)調教に関する専門的知識(ハ)馬学、衛生学、運動生理学、装蹄、飼養管理および競馬に関する専門的知識、が問われ、合格の基準はイ、ロ、ハがそれぞれ100点ずつの配点で「300点満点でおおむね180点以上であり、かつ、各項目の成績がそれぞれ100点満点で40点以上であること」と会報には書かれています。

どんな問題が出題されているのか、ものすごく気になりますが、過去の調教師試験の試験問題は一般には公開されていません。大学受験は毎月のように模擬試験を受けることができましたが、調教師試験は模擬試験などなく、1年に1回の一発勝負ですから、本当に厳しい世界だと思います。

頑張れ、受験生。「言われなくても頑張ってるよ」と言われるかもしれませんが…。でも、頑張れ、受験生。今夜はロイヤルアスコット開催2日目、G1プリンスオブウェールズSは6頭立てですが、ルクセンブルク、アダイヤー、ベイブリッジ、マイプロスペロ、モスタダフ、クラシックコーズウェイ、どんな激しい追い比べになるのか、楽しみです(発走は午前0時20分の予定)。

明日の朝も元気よく、取材できますように。【木南友輔】