先週末の中京競馬場では最高気温が39度だったと聞きました。馬にはもちろん、人間にも危険な暑さです。
JRAでは2年前から最も暑い昼の時間帯にレースを休止しています。来年からは1日7レースにするという計画もあるようですが、この時期の未勝利戦を削ると、中央で生き残れるチャンスが減ってしまう心配もあります。1つ勝てるかどうかは“命懸け”のようなものです。ここまで勝てなかった馬は、体質や気性など何かしら問題を抱えていることが多く、暑い中でギリギリの戦いをしなければなりません。調教師としてもつらい時期でした。
暑さへの対策は、いろいろと考えはしました。厩舎ではエアコンに加えて、ミストも使いました。ただ、馬房がジメジメしてはいけません。水の粒が細かいミストを選び、扇風機も使って気化熱で温度を下げるようにしていました。ミネラル補給でスポーツドリンクのようなものを飲ませたりもしました。
性別によっても使い分けました。暑さに弱い牡馬をなるべく北海道で出走させ、牝馬を栗東に残すようにはしていました。
ちなみに先日、栗東トレセンを訪れた際に、福永厩舎を見学させてもらいました。設備や雰囲気もすばらしかったですし、猛暑対策として、水にぬれると気化して冷える素材を使った馬服やメンコを見せてもらいました。こうした馬具の工夫も大事になってきます。
珠洲ホースパークのある能登は冬に寒いイメージが強いかと思いますが、夏はしっかり暑いです。気温が上がった7月半ばから、午前10時以降は馬たちを馬房へ入れるようにしています。おかげさまで、ちょうど先月末に新しい厩舎が完成して使えるようになりました。さすがにエアコンはないですが、すだれや扇風機で涼しくしています。
この時季は外に出るとアブが多いので、厩舎にいれば、そのストレスから解放されるメリットもあります。そういえば、久しぶりに行った栗東トレセンでは、びっくりするぐらい虫が少ないことに気づきました。さすがの衛生管理だとあらためて思いました。
これだけ夏が暑くなると、いずれはJRAも地方競馬のようにナイター開催も考えないといけなくなるかもしれません。ただ、働く人たちの労働時間や、周辺住民の方々の理解など、実現は簡単ではないでしょう。なかなか対策の難しい問題だと思います。



