ドーン! と記録更新だ。2番人気に推された馬体重594キロのドンフランキー(牡4、斉藤崇)が、軽快な逃げ切りで重賞初制覇を飾った。

好スタートから自分のスタイルを貫き、ゴール前では迫る1番人気リメイクの追い上げを首差しのいだ。勝ち時計は1分23秒0。この勝利で、JRA重賞における最高体重勝利記録を更新した。

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重厚感たっぷりの馬体とは裏腹に、レースは身軽に運んだ。ドンフランキーは芝スタートから好ダッシュ。池添騎手は「自分のスタイルを貫こうと思っていた」とハナを主張した。

後続からのプレッシャーで前半3ハロンは33秒9と流れたが「スタミナのある馬。直線を向くまで我慢して」と、ギリギリまで追い出しを待った。直線は左回りだと内にモタれる面を考慮し、ラチから少し離して追い出しを開始。二枚腰でリメイクを振り切った。

この日の馬体重は前走からマイナス4キロの594キロ。19年マーチSでサトノティターンが記録した572キロを22キロも更新し、JRA重賞の最高体重勝利記録(70年以降)を塗り替えた。

鞍上は夏の主戦場とする北海道から駆けつけた。「(直線で)リメイクがきていることは分かりましたが、何とかしのいでくれと思っていました」と汗を拭った。条件クラスの時から重賞級のポテンシャルを評価していた1頭。「まだ緩さがある中で勝てたし、思い描いている成長をしている。まだ強くなるし、これからますます楽しみです」と期待を込めた。

斉藤崇師は「もうひと踏ん張りして、頑張ってくれた」と評価。記録を更新した馬体には「大きな体ですが、本当に馬がえらいと思います」と頑張りをたたえた。今後はさらに上の舞台を見据え、レースを選択をしていく。【奥田隼人】

◆ドンフランキー ▽父 ダイワメジャー▽母 ウィーミスフランキー(サンリヴァー)▽牡4▽馬主 早野誠▽調教師 斉藤崇史(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 12戦6勝▽総収得賞金 1億1776万8000円▽馬名の由来 首領+母名より

◆JRA馬体重メモ 最高体重勝利馬はショーグンで626キロ(14年京都)。G1勝利はヒシアケボノで560キロ(95年スプリンターズS)。最少体重勝利馬はメロディーレーンで338キロ(19年阪神)。重賞勝利はアップセッターで380キロ(83年NZT4歳S)