日本選手権(ダービー)が始まった。ダービーは他のタイトルとは別物。主力選手は何カ月も前から、この開催に合わせて体調を整える。

私の時代は3月がダービーだったので、年が明けるとダービーのことを考えた。何カ月も後の大会なのに、考えるだけで緊張感を覚えるほど大切な大会だった。


ヤマコウが特選11Rで本命に推す新山響平
ヤマコウが特選11Rで本命に推す新山響平

いわき平で開催されるダービーなので当然、北日本の選手たちは気合が入っていると思う。その中で中核を担うのが新山響平だ。

昨年のGPはカマす脇本雄太に合わせて先行したが、脇本の仕掛けが早かったら3番手に入ることも考えていたと言う。前受け突っ張りのイメージを逆手に取ろうとしたのだろうが、新山のスピードの乗りが良く、突っ張らざるを得なかった。

その後の新山は、突っ張り先行だけではなく変化も求めようとした。いつも前が取れるわけでもないし、むやみに先行争いしても自分の着はない。無理せずカマシも取り入れたのが岐阜全日本選抜決勝だった。

先行選手が相手の時は臨機応変に先行でねじ伏せようとしている。川崎G3の時は北井佑季、高知G3では犬伏湧也だった。

高知の犬伏との戦いは完勝といっていい。初日特選で犬伏が得意とするカマシを封じ、決勝は突っ張り先行しかできないように追い詰めた。先行選手としては完勝だったが、位置取りで失敗し優勝を逃した。

これからも新山に挑む選手は多い。まず初日、特選11Rで南関勢の出はなをくじき有利にシリーズを進めたいところだ。後ろが本格的な追い込み選手2人なのも心強い。(日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの印】◎新山響平 ○守沢太志 ▲郡司浩平 ☆坂井洋 △松浦悠士