栗毛の快速馬ジャックドール(牡5、藤岡)が「マイル効果」で25年ぶり4頭目の連覇に挑む。昨年は好位から前をとらえた札幌記念(G2、芝2000メートル、20日)に出走予定。前走の安田記念は5着に敗れたが、マイラー仕様の調整で筋力や瞬発力が強化された。97、98年エアグルーヴなどレース8勝の武豊騎手(54)には、自身の持つ同一重賞最多勝記録(京都大賞典)に並ぶ9勝目がかかる。
夏の日差しに輝く四白流星の快速栗毛馬が、北の大地へ帰ってきた。1年前と違うのは、G1馬を表す紫色のゼッケン。さらには体つきや走りにも変化が見られる。藤岡師は「筋肉もついたし、瞬発力も増した。それが2000メートルでプラスに出れば」と期待する。
進化の要因は「マイル効果」にある。デビューから一貫して芝2000メートルを走ってきたが、15戦目の前走で初めて距離を縮めた。当時、トレーナーは「スピードに対応できる筋肉量や瞬発力も必要になるので、鍛えるために今までとは若干(調教の)パターンを変えた」と説明。坂路でテンから飛ばして自己ベストを1秒以上も更新する4ハロン50秒2を出すなど、マイラー仕様の調整を施した。
その安田記念では5着に敗れたが、レース後に武豊騎手は「マイルのスペシャリスト相手に頑張っていた。無謀な挑戦ではないと思う」と振り返った。敗戦の中で得た糧を生かす時がきた。自身は札幌記念で断トツの8勝。コースを知り尽くすレジェンドの存在も心強いばかりだ。
1年前と同様に函館へ入厩して仕上げられてきた。調整の手綱をとる仲田助手は「すごくリラックスしている。環境が良くて、勝手に落ち着いてくれる」と好気配を伝える。先週9日の1週前追い切りではウッド5ハロン65秒9-12秒3で併走馬に5馬身先着。藤岡師も「去年(大阪杯から直行)より調整しやすかった」と前年以上の手応えを口にする。下半期の目標は昨年4着の天皇賞・秋。まずはスーパーG2で成熟した走りを披露する。【太田尚樹】
◆同一重賞最多勝記録 武豊騎手は京都大賞典でJRAの同一重賞では最多の9勝を挙げている。過去8勝の札幌記念では13年トウケイヘイロー以来10年ぶりの勝利がかかる。ほかに大阪杯、天皇賞・春、弥生賞ディープインパクト記念、阪神大賞典、日刊スポーツ賞シンザン記念でも8勝をマークしている。なお、武豊騎手以外では、保田隆芳元騎手がカブトヤマ記念を8勝している。
◆武豊騎手の札幌記念制覇 93年ナリタチカラ、96年マーベラスサンデー、97・98年エアグルーヴ、03年サクラプレジデント、04年ファインモーション、06年アドマイヤムーン、13年トウケイヘイローの8勝。

