念願かなった瞬間だ! デビュー7年目の富田暁騎手(26=木原)が、15頭立ての“ブービー”14番人気テイエムスパーダ(牝4、木原)とのコンビで重賞初制覇を飾った。
好スタートから先手を取り、最後まで後続を寄せ付けず、3連単97万円超&「WIN5」4億円超の高配当を演出した。JRA重賞騎乗49度目での悲願成就。師匠の木原一良師(69)は節目の重賞10勝目となった。
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待ちに待った瞬間が訪れた。富田騎手はテイエムスパーダと記念すべき1勝をつかんだ。「(木原)先生とともに重賞を取ることができ、うれしい気持ちでいっぱいです。支えてくださった皆さんに感謝しかありません」。スタートから一度も先頭の景色を譲らずにゴールを駆け抜け、検量室前で涙を拭う師匠の木原師と固い握手を交わした。
ここまで長い道のりだった。かつての富田少年は、11年間やってきたサッカーをやめ、高校2年生でジョッキーを志した。「ずっとスポーツ選手になりたいと思うなかで、背が低いのもありましたし、昔から騎手という仕事が頭の片隅にありました」。親に背中を押される形で、競馬学校に入学した。だが、学校の試験の順位はいつも下の方。騎手になってからも思ったような成績をあげられず、たくさん悔しい思いをした。
「(競馬学校のテストの)点数を競っていた同期の武史(横山武騎手)はすでに大きいところを勝っていますし、『僕も頑張らないと』と思ってます」。
一流のジョッキーになって、支えてくれた師匠に少しでも恩返しをするため。努力を怠らなかった。毎週のトレーニングはもちろん、19年にオーストラリアでの修業を志願。今年の夏は初めて北海道に滞在するなど、厳しい環境に身を置き、技術向上に努めてきた。「経験を積んで、もっと上を目指したいです」。重賞制覇は通過点。富田騎手の挑戦は始まったばかりだ。
スパーダとのコンビで、次に目指すはG1の舞台となる。同馬の今後は未定も「大きい舞台に行っても臆することなく、チャレンジしていきたいです」。引き締まった表情でそう言った鞍上の視線は、もう次を見据えていた。【藤本真育】
◆テイエムスパーダ ▽父 レッドスパーダ▽母 トシザコジーン(アドマイヤコジーン)▽牝4▽馬主 竹園正継▽調教師 木原一良(栗東)▽生産者 浦河小林牧場(北海道浦河町)▽戦績 15戦5勝▽総収得賞金 1億4111万1000円▽主な勝ち鞍 22年CBC賞(G3)▽馬名の由来 冠名+父名の一部

