リニューアルされた美浦坂路の竣工(しゅんこう)式が20日、美浦トレセンの坂路スタート地点で行われた。

約3年半に及んだ改造工事では坂路の前半部分が劇的な変化を遂げた。全長1200メートルは変わらないものの、タイムの計測起点を地下約16メートルまで掘り下げることで旧坂路比+15メートルの高低差33メートルを実現。栗東の同32メートルを上回るコースが完成した。また、ゴール地点を手前に50メートル移動させて一部勾配を修正することで、ゴール後の減速区間が以前より80メートル延長され、210メートルとなった。26日よりプレオープン。10月4日に正式運用開始となる。

JRAの吉田正義理事長は「より高い調教効果が期待できるコースに生まれ変わりました。新しい坂路コースの完成を先駆けとして美浦トレセンを活性化させていくことで、よりハイレベルで魅力ある競走を提供できるよう取り組んでまいります」と話した。日本騎手クラブ相談役の柴田善臣騎手は「いい施設ができた。オーバーワークにならないよう、うまく使いながらだね。(関東馬に)勢いがついてほしいです」と期待を込めた。【松田直樹】