素質開花だ。クリストフ・ルメール騎手(44)騎乗の4番人気ローシャムパーク(牡4、田中博)が函館記念に続いて、重賞連勝を成し遂げた。1番人気タイトルホルダーを意識する道中5番手から坂上で抜け出した。勝ち時計は2分12秒0。

田中博康調教師(37)は18日のセントライト記念(レーベンスティール)に続く重賞2週連続V。次走は未定だが、大舞台挑戦を決定付ける金星となった。

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相手は明確だった。ルメール騎手は道中、ローシャムパークを5番手の外に導いた。逃げるタイトルホルダーの動きに合わせられるように。ルメール騎手は「近くで乗りたかった」とライバルを強く意識していた。まくる白毛馬ハヤヤッコ、一緒に動く芦毛馬ガイアフォースに合わせてG1・3勝馬に襲いかかる。馬群の一番外。坂での脚色は段違いだった。最後は現役屈指の長距離砲を突き放した。

一流馬の仲間入りだ。鞍上は「大きな馬で跳びも大きい。レースごとに強くなっている。タイトルホルダーを負かしたので、絶対G1を勝つレベルにいける」と即座に太鼓判を押した。今年5戦4勝。1週前に美浦ウッドで自己ベスト、今週もいつになく時計を出した。踏み込んだ調整に馬が心身ともに耐えたことで、G1を意識する実績まで手にした。

夢を形にする。これまでの最短間隔は中6週だった函館記念1着。天皇賞・秋の優先出走権を手にしたが、即出走の判断はつかない。田中博師が「まだまだ強くなる器。今日は選択肢が広がるものでしたし、じっくり考えたい。夢のある勝ち方でした」とさらなる距離延長へ含みも持たせた。いずれにせよ、次のターゲットはさらなる強豪が集う大舞台が濃厚だ。【松田直樹】

◆ローシャムパーク ▽父 ハービンジャー▽母 レネットグルーヴ(キングカメハメハ)▽牡4▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 田中博康(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 10戦6勝▽総収得賞金 1億7824万7000円▽主な勝ち鞍 23年函館記念(G3)▽馬名の由来 イギリスの風景式庭園