「スプリンターズS&凱旋門賞」ウイークが始まりました。全休日明けの火曜朝の美浦トレセン。馬場開場の午前6時の南スタンド前は先週に比べ、馬の数がだいぶ少なくなりました。理由は新しい坂路が完成したため。今日からプレオープンとなり、各厩舎が利用を開始しています。

坂路を見てきた調教師や馬にまたがって駆け上がった助手、ジョッキーと話しましたが、大きな混乱はなかったようですし、初日の今日は「走りやすかった」「いい施設だと思う」という声や「運動場からスタート地点までの導線が難しかった」という声を聞きました。

「フランスに(凱旋門賞取材に)行かないの?」と馬上から声をかけられることもしばしば。自分は今年も日本から観戦です。

凱旋門賞が行われるフランスと日本は時差7時間。日本の夕方になると、欧州で動きが出てきます。日本に残っていても、フランスに行っていても、有力馬の出否や進退のニュースが出て、毎年、ワクワクしながら、寝不足でクラクラしながら、疲労困憊(こんぱい)になる1週間です。

今年はスルーセブンシーズが日本から挑戦します。尾関師は13年のステラウインド以来10年ぶりのフランス遠征。今回、出国前のインタビューではいろいろとお話ししていただきました。

「スルーセブンシーズ(7つの海を越えて)って、最初から海外遠征することが決まっていたかのような名前ですね」とボソッと言うと、師は「今年に入ったときは凱旋門賞に挑戦するとは思っていなかったし、今回の挑戦は彼女自身が自らつかみ取ってくれたものです」と馬の成長をたたえた上で、「グローリーヴェイズも香港ヴァーズ(※日本語の表記は違うけど、英語の表記は同じで「壺」の意味)を勝ってくれた。同じように、“伏線回収”ということになればいいですね」と笑顔で話してくれました。

尾関師は「NO HORSE,NO LIFE」というブログを書いています。技術調教師時代の08年3月から始まっているこのブログ。「時間があるときに書くので、更新するのがレース当日の朝になってしまうこともあるんですけど…」とおっしゃっていましたが、毎週末の厩舎の出走馬のことから、中日ドラゴンズのことまで、ファンの方へ向けて、丁寧に書かれています。

08年3月11日、初回のタイトルは「NO HORSE,NO LIFE」で、この言葉にかける思い、競馬への思いがつづられています。

スプリンターズS、凱旋門賞、それに、明日水曜にはドバイワールドカップ覇者ウシュバテソーロが出走する日本テレビ盃もあります。少しでも「NO HORSE,NO LIFE」の精神に近づけるように、記者も努力していきたいと思います。【木南友輔】