日曜日(10月1日)の凱旋門賞の参戦予定馬は26日現在、ここ10年の平均出走頭数(16・4頭)を下回る12頭前後となっています。

出走に踏み切れば有力とみられていたオーギュストロダン(英・愛ダービー、愛チャンピオンS)やウォームハート(ヴェルメイユ賞、ヨークシャーオークス)が、当日馬場が悪くなる可能性のあるパリロンシャンを嫌ってカリフォルニアのサンタアニタ競馬場を舞台とするブリーダーズC参戦にかじを切ったことに加え、シーズン途中で有力馬の引退が相次いだ“ゴドルフィン”からの参戦もなくなったことで出走馬の数が絞られたようです。

パリ地区の週間天気予報によれば日曜は晴れ。最高気温はこの時期にしては異例の27度になる模様で、予報通りなら絶好の競馬日和になりそうです。

ブックメーカーによる人気は不敗で臨む仏ダービー馬エースインパクト(牡3、父クラックスマン)、“キングジョージ”覇者フクム(牡6、父シーザスターズ)、それに英セントレジャー優勝から追加登録して挑む予定のコンティニュアス(牡3、父ハーツクライ)あたりに集中しています。

3頭の実力は素直に評価しなければなりませんが、これらの馬たちには越えなければならない厚い壁が待ち受けています。

エースインパクトのように2400メートル戦未経験馬の優勝例は90年のソーマレズだけ。そのソーマレズもパリロンシャン競馬場は凱旋門賞までに2戦2勝していて初距離と初コースが重なるエースインパクトが勝てば戦後初の快挙となります。

古馬代表のフクムは過去101回で、なぜか前例のない6歳馬による優勝をかけての参戦。コンティニュアスには「セントレジャー馬による同一年の凱旋門賞優勝なし」という鉄のジンクスが待ち受けています。不敗の3冠馬ニジンスキーでさえも成しえなかった偉業に日本産馬が挑みます。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)