日本から単騎参戦したスルーセブンシーズ(牝5、尾関)が4着と健闘した。後方追走から最後の直線は馬群を縫うように伸びた。1969年スピードシンボリ(着外)の初参戦から54年、のべ34頭目の凱旋門賞挑戦。日本競馬界の悲願成就は来年以降に持ち越しとなったが、世界にインパクトを与えた。

6月の宝塚記念で、現役世界最強馬イクイノックスの首差2着に迫った。父はドリームジャーニー、祖父はステイゴールド。そのステイの産駒ではオルフェーヴル、ナカヤマフェスタがかつて凱旋門賞で2着に好走しており、血統的な期待も背負った挑戦だった。

初の海外遠征に加えて、初めて58キロを背負った。それでも直線は見せ場十分の走り。ヨーロッパの強豪たちはやはり強かったが、日本が誇る“凱旋門賞血統”の片りんは示した。

尾関師はレース後のインタビューで涙を浮かべた。「たくさんの縁でこういう舞台に立つことができました。勝ちたいと思ってきたので悔しいけど、スルーセブンシーズを褒めてあげたい」とねぎらった。

鞍上のルメール騎手は、06年のプライド2着など13度目の挑戦だった。今回も頂点には届かなかったが「直線ではだんだん伸びてくれた。スムーズな競馬ができた。よく頑張ったし、ハイレベルでいいパフォーマンスをしてくれました」とパートナーをたたえた。

勝ったのは今年のフランスダービー馬、1番人気のエースインパクト。鞍上のC・デムーロ騎手に導かれ、デビューから無傷6連勝での戴冠となった。