<秋華賞>◇15日=京都◇G1◇芝2000メートル◇3歳牝◇出走18頭

絶対女王リバティアイランド(中内田)が史上7頭目の牝馬3冠制覇を果たした。中団前方から4コーナーで仕掛けて危なげなく抜け出した。この日が誕生日だった川田将雅騎手(38)は3歳G1完全Vも達成した。

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互いの寝息を聞きながら夢を見ていた11歳と18歳が、牝馬3冠の表彰台で肩を並べた。今も忘れない26年前の夏。小学校6年の川田少年は佐賀から滋賀の牧場に1カ月間も泊まり込み、ひたすら馬に乗っていた。

「楽しかったですよ。(鞍から尻を離す)モンキー乗りをしたのも初めてでしたから」

夜を過ごしたのは7歳上の青年の部屋だ。ベッドを譲ってくれて、自身は床に布団を敷いて寝ていた「みーくん」。留学先の欧州へエアメールを書いて文通したこともある。それが今の中内田師だった。

今では騎手と調教師として、ともに日本競馬界を代表する存在となった。トレーナーは「縁って面白いなと思います」と目を細める。今や「黄金コンビ」との呼び声高い38歳と44歳。夢の続きを見る時間はたっぷりと残されている。【中央競馬担当=太田尚樹】