「競馬法100周年」を記念し、今年の天皇賞・秋は天皇陛下が観覧される。 このレースが天覧競馬として行われるのは、戦後では05年(1着ヘヴンリーロマンス)、12年(1着エイシンフラッシュ)に続き11年ぶり3度目で、令和では初となる。

<過去2回の天覧競馬の天皇賞・秋VTR>

◆05年(エンペラーズカップ100年記念) 14番人気ヘヴンリーロマンス(牝5、山本)が制した。最内枠を生かして道中は内の経済コースを追走。ゴールまで残りわずかのところで粘るダンスインザムードと1番人気ゼンノロブロイの間を割ってぐっとひと伸びし、頭差の激戦を制した。レース後は、普段は気性の激しいヘヴンリーロマンスがウイニングランを終えるとスタンドの前でぴたりと立ち止まった。松永幹夫騎手(現調教師)がヘルメットを脱ぎ、静寂の中、馬上から来賓席の両陛下に深々と頭を下げた。

◆12年(近代競馬150周年記念) シルポートが1000メートル通過57秒3のハイペースで後続を離して逃げた。中団後方で脚をためた5番人気エイシンフラッシュ(牡5、藤原英)は直線で内ラチ沿いを強襲。残り100メートルで逃げ馬の内を突いて抜け出すと、1番人気フェノーメノを半馬身差で抑え、10年ダービー以来の勝利を挙げた。M・デムーロ騎手は、天皇皇后両陛下が観戦されたスタンド前で下馬。ヘルメットを脱ぎ、片膝をついて礼をした。