現地土曜日(4日)に行われたG1ブリーダーズCダートマイル(1600メートル)を連覇したコディーズウィッシュ(牡5、父カーリン)の名付け親で、難病の遺伝性疾患ウォルフ・ヒルシュホーン症候群と闘っていたコディー・ドーマンさんが、サンタアニタパーク競馬場から自宅のケンタッキーへ戻る途中に亡くなったという悲しい知らせが届きました。

心を通い合わせた“親友”が、直線で体をぶつけあう激しいレースに歯を食いしばって鼻差で引退の花道を飾ったシーンを競馬場で家族とともに見届けた17歳の青年は、いつものように一筋の涙をあふれさせていたと伝えられています。

成人するまで生存することはまれといわれている病にあったコディーさんと、彼を慕うコディーズウィッシュの間に結ばれた夢のような物語が全米に報じられたのは、ちょうど1年前のことでした。

コディーズウィッシュを持つゴドルフィンUSAを代表するD・ブライト氏は「コディーの死は私たちを深く悲しませましたが、彼がコディーズウィッシュとともに競馬場を旅して過ごした素晴らしい時間があったことに慰めを感じています」と哀悼の意を伝えています。

コディーズウィッシュの生涯成績は16戦11勝、2着1回、3着4回。今年は適距離から外れた8月のG1ホイットニーS(ダート1800メートル)こそホワイトアバリオの3着でしたが、それ以外は負けなしの5戦4勝(G1・3勝)。

来年1月に発表される年度代表馬はG1・BCディスタフ(ダート1800メートル)に勝ってシーズンを9戦8勝(G1・3勝)で終えた4歳牝馬イディオマティックや、G1・BCクラシック(ダート2000メートル)の覇者でシーズン5戦3勝(G1・2勝)のホワイトアバリオと争うことになりますが、関係者を含む多くの競馬ファンがコディーさんとコディーズウィッシュの物語を永く語り継ぎたいと思っています。(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)