“脱サラ”ホースマンの夢は続いている-。人々の記憶に残る名馬のグッズ「LEGEND HORSE」シリーズを手がける株式会社オーセンティック東京の成岡利泰代表(51)は「本当に素晴らしい1年でした。競馬場にたくさんのファンが戻ってきて、秋には天覧競馬が行われ、イクイノックスという世界最強馬をみんなが目撃した。10年経っても20年経っても、多くの人の心に残るであろう思い出を共有できたと思います」とこの1年を振り返る。

 

成岡氏は競馬雑誌を発行する新聞社で中心的な役割を長年担い、競馬ファンの底辺拡大をテーマに北海道の牧場めぐりツアーやジョッキーのトークショー、女性初心者向けの競馬講座、海外ツアーなどのイベントを企画、実施してきたが、コロナ禍の中で、自らの会社を立ち上げた。昨年初めて企画したのが、オジュウチョウサンの引退記念グッズ。受注生産されたロングTシャツとパーカは好評を博した。「オーナーや騎手、調教師、生産者、競馬関係者の皆さんのご協力がなければ、グッズを作ることはできません。自分のやりたいこと、ファンに喜んでもらえる、ファンのためのグッズを作る仕事ができることをうれしく思っています。私たちを感動させてくれた馬たちにもありがとうを伝えたいですね」。今夏には関係者とともに北海道のヴェルサイユリゾートファームを訪れ、引退し、種牡馬としてけい養されているオジュウチョウサンに直接、お礼の言葉を伝えてきたという。

 

オンラインサイト「競馬ファンショップ」で受注販売している「LEGEND HORSE」シリーズ。第1弾のダービーはトウカイテイオー、ウオッカ、第2弾の宝塚記念はサイレンススズカ、オルフェーヴル、ゴールドシップ、第3弾の菊花賞はディープインパクト、オルフェーヴル、コントレイル、第4弾の天皇賞・秋はジャスタウェイ、エフフォーリア、イクイノックス、第5弾のジャパンCはスペシャルウィーク、キタサンブラック、アーモンドアイのグッズを製作した。

 

第6弾の今回はイクイノックスとソダシの引退記念フルジップパーカ、オリジナルTシャツを受注販売する(販売期間は12月16日から来年1月14日まで)。これまでも馬産地・北海道の種馬場や生産牧場に足しげく通ってきた成岡氏。16日には中山競馬場でイクイノックスの引退式を見届け、気持ちを新たにしたという。「やっぱり日本の競馬は素晴らしいですよ。引退するスターホースをこれだけ温かく送り出せるのは、ファン、オーナー、関係者、そして、主催者が競馬を心から愛しているからだと思います。自分も微力ですが、一緒に競馬を楽しみ、貢献していければと思います」。