経験を、感謝を力に。藤田菜七子騎手(26=根本)がホープフルSでアンモシエラ(牝、松永幹)に騎乗する。

今年2度目、キャリア4度目のG1挑戦。藤田騎手は「こうしてG1に乗れるチャンスをいただいた。本当にありがたいことですし、いい結果を出せるように頑張りたい」と真っすぐな視線で言葉を口にした。

初コンビの相方はダートで2連勝中の関西馬。レースの内容を動画で食い入るようにチェックし、「二の脚がそれなりに速い馬ですよね。いい位置につけられるタイプだと見てて思います。芝でもそういう競馬ができれば」と印象を語った。

今年は騎手として1歩前に進んだ1年だった。5月ダービーは除外となったが、騎乗依頼が舞い込んだ。9月にはスペインの国際招待競走で鍛錬を積んだ。11月はジャパンCで日本人女性騎手初騎乗と歴史をつくった。「たくさんの方のおかげで充実した1年になりました。ただ、もっともっと結果は出さないといけないです」。結果を求めるその目と言葉には、力がこもっていた。暮れの中山、藤田が思いを騎乗に表す。【阿部泰斉】

◆国内G1の女性騎手複数騎乗 藤田菜七子、フランスのM・ヴェロン、英国のH・ドイルの3騎手が騎乗した今年のジャパンC以来2度目。JRA女性騎手の複数同時騎乗は初。アドミラルシップのH・ドイルを含めると女性騎手は今回も3人参戦となる。