海外G1・2勝を挙げたパンサラッサ(牡7、矢作)の引退式が8日、中山競馬場で行われた。当初は有馬記念前日の昨年12月23日に実施予定だったが、同馬の体調面からこの日に延期されていた。最終レース後のウイナーズサークルには多くのファンが集まり、その姿を目に焼き付けた。今後は北海道新ひだか町のアロースタッドで種牡馬になる。

同馬と苦楽をともにし、昨年9月末で定年退職した池田康宏元厩務員(65)は矢作師とともに手綱を引いて引退式に登場。「今日も元気いっぱいでパンサラッサらしい、僕も危険を感じたくらいの元気のよさでひと安心です」と安堵(あんど)の表情。「自分のことで大変恐縮ですけど、定年退職前の4歳秋から覚醒して急に強くなって、僕もG1制覇を諦めていたけど、最後の最後に制してくれて、パンサラッサには諦めないことを教わりました。本当にお礼が言いたいです」と感謝の思いを込めた。

19年9月デビューで通算27戦7勝(うち海外4戦2勝)。22年にドバイターフ、23年に世界最高賞金レースのサウジCを制した。国内外を合わせた通算獲得賞金は18億4466万3200円。引退戦となった昨年のジャパンC(12着)では、一時は後続を20馬身以上引き離す大逃げを打ち、個性派らしくターフを沸かせた。