今朝の美浦トレセンは氷点下に気温が下がる時間帯もあり、風も強く、体感温度もかなり低かったです。

3日間開催の翌週で、火曜日が全休日。全休日明けの水曜なので運動に終始する厩舎もあれば、週末へ向け、追い切りを行う厩舎もありました。今週末は中山で京成杯。昨年はソールオリエンスが新馬戦、京成杯、皐月賞と3連勝。クラシックへ向け、今年も見逃せないレースになりそうです。

JRA賞の競走馬部門の発表から一夜明け、トレセンの現場で関係者から聞いた声で一番、自分の心に響いたのは、各部門の投票結果よりも馬事文化賞についてでした。「ウマ娘にも馬事文化賞をあげてほしかったなあ。去年の競馬を振り返った時に、ウマ娘が競馬人気、競馬という文化に与えた影響は大きかったと思うよ」と。

自分はJRA賞の競走馬部門を決める投票の権利は持っていますが、馬事文化賞の決定について、何も権利を持っていません。今回、馬事文化賞に選出された作品「エピタフ 幻の島、ユルリの光跡」は素晴らしい作品なのだと思います。島のことは以前、JRAの雑誌「優駿」で知った時から「そんな島があるんだ」と意識にありましたし、素晴らしい研究、芸術、文化を学べる作品なのかなあ、と。本を買って、メチャメチャ読みたいと思っています。

それとは別で…、「ウマ娘にもあげて」という声を聞きました。私自身、ウマ娘のゲームをやっていませんし、やらず嫌いでいるのですが、トレセンの現場で働いている調教師、厩舎スタッフの方たちから「ウマ娘」の馬事文化、競馬への貢献度という話を聞いて、「そうだよなあ、自分も中学生の時、ダビスタ(ダービースタリオン)の影響、すごく受けたもんなあ」と思いました。

馬事文化というのは対象が広く、毎年の馬事文化賞というのは難しい表彰なのだと思います。ある調教師はいつも言っています。「競馬ブックとか、週刊ギャロップとか、競馬という文化に対しての雑誌の貢献度は大きいよ。彼らに馬事文化賞をあげてほしいよ」と。また、別の調教師は言います。「今は競馬というスポーツに新しいファンがどんどん入ってきてくれている時代。競馬が不人気になる時代がいつかやってくるかもしれない。その時のためにも、今、競馬ファンを増やしてくれているものをしっかりと評価してあげてほしい」。長い目、広い視野で競馬を見たときに、そういう声も大事にしなければいけないな、と思います。【木南友輔】