春の古馬路線を占う日経新春杯(G2、芝2400メートル、14日=京都)の最終追い切りが10日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は東西記者のクロストークで、前走・菊花賞組の4歳馬2頭をピックアップ。栗東の奥田隼人記者はサトノグランツ(牡、友道)に、美浦の木南友輔記者はハーツコンチェルト(牡、武井)に注目した。

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奥田 木南さん、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします。

木南 明けましておめでとう。年明けから、日本中は大変だけど、僕たちは新聞記者としてできることを。今年も全力で取材して、いい記事を書いて、全力で予想していこう。

奥田 頑張ります! 今週は3日間開催明けで追い日がまちまちですが、水曜は東西で注目の菊花賞組2頭が追い切りましたね。同6着ハーツコンチェルトの動きはいかがでしたか?

木南 美浦ウッドで京成杯出走の僚馬アーバンシック(3歳オープン)と併せて、6ハロン83秒3-11秒6で併入。直線は相手の手応えが抜群で“おいでおいで”されちゃう感じだったけど、時計は出ているし、先月中旬からウッド、坂路で本数も十分すぎるほど乗ってきているからね。

奥田 前走とは違う印象ですね。

木南 そうそう。武井師も「自分からギアを上げようとしないところが出てきていて、促されると動く。菊花賞の時は掛かるところがあったので、今の感じがレースでどう出るか。体調はいいし、切れもある。今の京都の馬場も問題ないと思います」とのこと。個人的には菊花賞で◎を打った馬で、あまり評価は落とせないかな。レースは勝負どころの不利もあったし、当時と違って少しズブい面が今回はプラスに出るような気もするね。

奥田 こちら栗東は同10着サトノグランツです。ポリトラックで僚馬カルデア(3歳新馬)と併せて併入。6ハロン82秒0-11秒1で、新馬相手とはいえ手応えにも余裕がありました。友道師も「追うごとに良くなってきている」と徐々に上昇ムードです。

木南 ただ、菊花賞は10着か…。敗因なんかは?

奥田 師は「前走のように緩急がつくレースは駄目だね」と振り返っていました。まだ緩さがある馬で、エンジンのかかりも遅いところがありますが、下り坂を利用できる京都は重賞も勝っているように基本的には合う舞台です。「この条件はピッタリだし、現時点でもチャンスはあると思う」と師。反撃は可能です。

木南 あとはハンデだよね。ハーツコンチェルトが55キロで、グランツは57・5キロ。ここでは菊花賞最先着(4着)のリビアングラスが54キロ。古馬との力関係もあるけど、この差がどう出るかだね。

◆日経新春杯と4歳馬 過去10年の年齢別成績を見ると、4歳馬が7勝で他世代を圧倒している。7頭の前走内訳は菊花賞3頭、ダービー2頭、グレイトフルS、金鯱賞(12月施行時)が各1頭。出走頭数も多い菊花賞組が中心だ。前走・菊花賞組の着順を見ると、掲示板に載った3頭(2着1頭、5着2頭)は3戦3勝。対して6着以下は【0 0 1 9】と連対なし。同6着ハーツコンチェルト、同10着サトノグランツはデータを覆せるか。