長距離界の新星はどっち? 伝統のG2阪神大賞典(芝3000メートル、17日、1着に天皇賞・春優先出走権)の追い切りが13日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では実績馬に挑む上昇馬2頭をチョイス。穴男の奥田隼人記者が日経新春杯Vのブローザホーン(牡5、吉岡)を推し、大阪本紙の太田尚樹記者は同2着のサヴォーナ(牡4、中竹)をプッシュした。

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奥田 極ウマ取材班のステイヤーといえば太田さん。先週のびわ湖マラソンで持ち時計を更新したとか。

太田 日々の鍛錬の成果やな。競馬も同じで、調教が大事ってことや。

奥田 調教ではブローザホーンが良く見えました。

太田 穴党なのに?

奥田 調教が大事です!

太田 …。坂路4ハロン54秒2-13秒0か。目立つ時計ではないよな。

奥田 前日の雨の影響で馬場も重かったですからね。吉岡厩舎のパターンで、先週土曜に同52秒2-12秒4と強い負荷を掛けて、当週は微調整程度の併せ馬。首差で遅れましたけど、まったく深追いしていません。吉岡師も「上手に折り合っていたし、ジョッキーの意のままに動けていましたね」と評価していました。

太田 美浦の中野厩舎から転厩初戦になるんよな。

奥田 そこで菅原明騎手が栗東へ駆けつけ、厩舎出発から乗って以前との比較をしたそうですが「本当に変わりなくきていますね。馬の雰囲気も変わっていないし、調教の体の使い方も変わっていないという感じです」と好感触でした。

太田 距離はどうなん?

奥田 吉岡師は「体は小さいですが、効率が良くて、ぶれない走りをしますね。芯がしっかりしている感じ」と適性を見込んでいます。以前に取材した岡田オーナーも楽しみにしていた馬で、420キロ前後の小さな体ですが潜在能力は相当なものだと思います。

太田 俺はサヴォーナやな。馬場の荒れた時間帯に同4ハロン51秒7-12秒4の時計は価値が高い。

奥田 少し内へもたれたように見えましたが?

太田 そういう癖がもともとあるし許容範囲やね。またがった池添騎手も「もたれは少しあったけど、体の使い方が良くなっている。前回より具合はいい」と逆転へ手応え十分やった。

奥田 4歳牡馬は世代のレベルに疑問符をつける声もありますよね。

太田 とはいえ4歳ならではの伸びしろがある。もともと「古馬になって良くなる」と見込まれとった馬やから。中竹師も「見た目に変わった感じはないけど、動きはゆっくりに見えて時計が出るようになった」って成長を実感しとった。菊花賞(5着)では2周目の向正面で後方から好位まで進出したし、自在に動ける操縦性があるから長距離適性も高い。

奥田 日経新春杯の一騎打ち再現もありますね。

太田 ほな、とりあえず俺と奥田の一騎打ちで3000メートル走でもしよか。

奥田 ハンデ戦なら…。

太田 いや、別定戦や。