アイルランドのシェーミー・ヘファーナン騎手(51)が長らく拠点にしていたエイダン・オブライエン厩舎を離れ、今シーズンからフリーランスで活動していくことになった。レーシングポスト電子版、サラブレッドデイリーニュース電子版など欧州メディアが17日、伝えている。

同騎手はエイダン・オブライエン調教師の盟友として知られ、96年から師が管理する「バリードイル」(クールモアグループの私設調教場)のセカンドジョッキーとして活躍。クリスティ・ローシュ、ジェイミー・スペンサー、マイケル・キネーン、キーレン・ファロン、ジョニー・ムルタ、ジョセフ・オブライエン、ライアン・ムーアなどの主戦騎手とともに厩舎所属馬の手綱を任され、愛ダービーで4勝を挙げ、16年にはハイランドリールでBCターフ、19年にはアンソニーヴァンダイクで英ダービーを制するなど、数多くのビッグレースを勝ってきた。歴史的名馬ガリレオの主戦騎手はキネーンだが、同馬の現役時にG3ダービートライアルで騎乗し、見事に勝利。ガリレオだけでなく、エイダン・オブライエン厩舎の名馬の多くの調教に携わってきたことで知られている。

ヘファーナン騎手はサラブレッドデイリーニュースの取材に対し、「私は多くの友人ができ、お金を手に入れ、すてきな写真やトロフィーを持っています。まだ、終わったわけではなく、変化が必要だと感じました。騎手を続けていくためにはバリードイルをベース(拠点)にしない方がいいと感じました。なぜ、と思う人もいるでしょう。でも、私はレースに乗り続けるつもりなので、エイダン(オブライエン調教師)が私を使いたければ、喜んで騎乗します。1つだけ違うのは、毎日、バリードイルで馬に乗らなくなることです」とコメント。一方のエイダン・オブライエン調教師はレーシングポストの取材に対し、「先週末にフリーランスになるつもりだと電話がありました。私はそれを尊重しますし、彼に言いました。戻りたくなったら、いつでもウエルカムだよ、と。いかなる形であれ、不仲ではまったくありません。彼は私たちにとって、多くの大きな、重要な勝ち馬に騎乗しましたし、私たちは常にシェイマス(ヘファーナン)の今後の幸運を期待し、願っています」と答えている。