高松宮記念(G1、芝1200メートル、24日=中京)の最終追い切りが20日、東西トレセンで行われた。出走馬の調教過程を深掘りする「追い切りの番人」では、大阪の下村琴葉(ことは)記者が昨年の最優秀スプリンター、ママコチャ(牝5、池江)をピックアップ。前走の阪神Cは5着に敗戦したが、その裏には苦手な寒さとホルモンバランスの変化があった。巻き返しはなるのか。直行ローテと調教のひと工夫に迫った。

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寒さが和らぎ、春の訪れを喜ぶのは人間だけではなく、馬も同じのよう。ママコチャも開花間近だ。

この日は坂路を単走で行きっぷりよく駆け上がった。少し促されると、ピッチ走法の回転速度がアップ。少し雨を含んだ馬場でも軽快な動きで、4ハロン53秒7-12秒1をマークした。池江師は「動きは良かった。状態はスプリンターズS(1着)の時と遜色ない」と評価していた。

G1馬として挑んだ前走の阪神Cは5着に敗戦。返し馬の時からおとなしく、本来の姿ではなかった。これには牝馬ならではの“ホルモンバランス”の変化があると師は説明する。

春の繁殖期を迎えるにあたり、牝馬は自然と母親になる準備を始める。「冬毛が伸びたり、皮膚が厚くなったり、脂肪が増えたり。体が走る方に向かなくなるんです」。もちろん馬によって個体差があるが、昨年12月のママコチャにはこの影響があったという。

さらにはもともと苦手な寒さもあり、万全のコンディションに至らなかった。前哨戦を挟まず、高松宮記念へ直行になったのもそれらを考慮してのものだ。

また、注目したいのは中間の調教時間。3週前追いの坂路、2、1週前のCウッドは、すべて午前10時前に行われていた。早朝の開門時とは違い、日が昇り、気温が上がり始める時間帯だ。意図しているのかという質問には「そういうところもある」と師。この日の最終追いは、午前8時半ごろと例外だったが、調教環境にも配慮がなされてきた。

ホルモンバランスの変化が落ち着き、気温が少しずつ上昇し、ママコチャは本来の姿を取り戻してきた。「動きもいいし、筋肉がついてきた。弾むようなキャンターで、躍動感が出てきた」と今の状態は文句なし。早めに入厩してしっかり乗り込まれ、間隔が空くのも問題ない。「最優秀スプリンターの名に恥じない競馬がしたい」と師。昨秋のスプリント女王を侮るなかれ。【下村琴葉】