伏竜Sを制し、ケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、5月4日=チャーチルダウンズ)に参戦するテーオーパスワード(牡3、高柳大)は北米で活躍する日本人ジョッキー、木村和士騎手(24)とコンビを組むことが決まった。

同騎手は北海道の浦河町出身。JRAの競馬学校を中退し、カナダに渡って才能を開花させた。19年には日本人で初めて北米の年度表彰「エクリプス賞」(最優秀見習い騎手部門)を受賞し、現在は3年連続でカナダ(ウッドバイン競馬場)のリーディングジョッキーに輝いている。カナダ競馬のオフシーズンにはアメリカ西海岸サンタアニタ競馬場の開催に参加しており、昨年は大井所属マンダリンヒーローとのコンビで、サンタアニタダービー2着からケンタッキーダービー初騎乗を果たしている(12着)。

木村騎手は日刊スポーツの取材に対し、「先日、先生(高柳大師)からご依頼をいただき、大変うれしく思っています。2年連続でケンタッキーダービーに挑戦できることはとても光栄なことですし、挑戦するからにはもちろん1番でゴール板を駆け抜けるよう目指して、最善を尽くします。ダービーの日まで1カ月弱ありますが、すべてが順調にいくように願っています。また、あらためて、このようなチャンスをいただき、小笹公也オーナー、テーオーパスワードの陣営のみなさんにはとても感謝しています」と心境を語った。

テーオーパスワードは父がコパノリッキー、母がテーオーレイチェルという血統で、ヤナガワ牧場の生産馬。デビュー2連勝で伏竜Sを制し、日本調教馬対象の「ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー」のポイント1位でケンタッキーダービーの優先出走権を持っている。日本馬は5戦無敗でUAEダービーを制したフォーエバーヤング(牡3、矢作)と坂井瑠星騎手(26)のコンビも有力馬の1頭として参戦。“スポーツの中で最も偉大な2分間”と称されるケンタッキーダービー。日本馬2頭と若き日本人ジョッキーたちが歴史を塗り替える瞬間を期待したい。

【木南友輔】